彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
パッパラ~!
パラリラ、パラリラ―!
フォン、フォンフォフォフォフォ!
龍星軍総長を追って、4つのチームが緑川交差点を後にする。
この一部始終を見ていた人々は、暴走族の争に眉をひそめる。
しかし、すべてが不快な顔をしていたわけではない。
「すげーな・・・・凛道蓮君?」
「ああ・・・噂通り、ジャックフロストだな?」
「うんうん!凛道君、可愛いね!」
「信号が赤だから止まるって~お茶目すぎ!」
「つーか、フェイントかけただけじゃんか?卑怯ジャン?だせくねー?」
「そうかもしれねぇーけど、あの貝原相手に一突きはすげージャンか?」
「そうよ!ちゃんと青信号で行ったじゃない!?」
「あ~!?言われてみれば!」
「だはははは!マジかー!?あの子、天然じゃねぇの?」
「というか、凛道君1人だったよな?1人相手に大勢とかさー」
「すだな、卑怯は撤回だわ!カツアゲとして返り討ちにされた飛翔連合が卑怯か?」
「そうよ!あたしあいつらの仲間のレディースに、十文字パーキングでお金取られたことあおるもん。」
「あたしも、カバン取られた!あそこのレディース、ひどかったもんね。」
「泣くぐらいがちょうどいいよね~?赤龍会も、あたし友達がしつこくさ~」
「やだよねー!むしろ、凛道君がしめてくれたおかげで、安心だよねー?」
「話聞く限り、凛道君、悪いことしてないよね?」
「そうだな・・・噛みついてきたから、やり返し多っぽいもんなー?」
「それに俺聞いたんだ!凛道君の硬派話!」
「あ、俺も聞いた!なんか、爆裂弾もからんだ深イイ話だろう!?」
「鬼ヤバじゃん、蓮君!彼みたいなゾッキーなら、あたし賛成!」
「俺もいいと思うわ。」
「だよな~親しみやしーもんな?」
「見てみて!ツイートしたら、すっげーフォロワーきたよ~凛道蓮君の!」
凛は知らない。
世間の若者が自分に好意的なことを。
電子危惧が発達した時代。
『龍星軍四代目出現!』の情報は、ネットを通してあっという間に広がった。
~走死走愛(そうしそうあい)・快刀乱麻(かいとうらんま)!たった1人の暴走族!!~完~