彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「まだかな~?赤信号にでも引っかかったのかなー?」



〔★それはない★〕



なかなか来ない敵に、イライラする。

きっと佐々木小次郎も、宮本武蔵を待ってる時、こんな感じだったのだろうと思う。




(本当は・・・・体力の温存(おんぞん)を考えれば、戦いはさけたかった。)



「でも、だめ。」



(旗を持った状態で、バイクに乗り慣れてるゾッキー達を引き離すのは無理。)




これでも上手に乗ってると思うけど、やっぱり、旗を持っての運転は肩が痛くなる。

実際に、片手の感覚がなくなってる。




(とはいえ・・・戦っている時は戦っている時で、旗をどこに置いておこうかな・・・?)




卑怯なやつばっかりだから、「旗を燃やされたくなかったら、降伏しろ!」とかしそうだもん。




(人質に取られないためにも、隠そうか?だとしたら、どこに隠そう?バイクの側に置いておく?てか、バイクだって人質にされかねない。ああ、どうしようかな~)




〔★凛には悩みが多すぎた★〕




フォーン、フォーン、フォンフォン!



「あ。」

(来た?)




考えていれば、バイクのエンジン音が近づいてくる。




「やっときたのね。」




そうつぶやいて違和感を覚える。




「?おかしい・・・」




エンジン音が聞こえてきたのは前方。






(私が待っている集団は、背後から来るはず。)



「なんで、前から―――――――――――!?」


(まさか。)





いや~な予感がした。

そして、それは的中してしまった。





パラララ~!

フォーンフォン!

バッバッバッ!




「うわー・・・・」




やっぱり。

思った通り。




視界に映ったのは、今夜初めて見る暴走族グループ。

新手の登場だった。



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