彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「なにを間違えてるのか・・・・みんな、同じことばかり聞くからさー面倒くさくなっちゃいましてね~最後は、赤いサイレンのついた車に乗せてあげました。」
「なにいぃ!?サツに売りとばしたんか!?」
「いや、救急車の方です。」
上手く意図が伝わらなかったので、手を横で振りながら教える。
「はああああ!?もっとダメじゃねぇか!?」
それに大野と呼ばれたヤンキーは、良いリアクションをしてくれた。
その後で、顔をしかめながら言った。
「貴様!やっぱり、あのジャック・フロストの凛道蓮か!?ここでなにしてやがる!?」
「僕はごく普通の凛道蓮です。ここでなにをしようと、僕の勝手じゃないですか?」
「勝手言ってんじゃねぇぞ、馬鹿野郎!ここは、『堕裏亞(だりあ)』の集会ルートなんだよ!龍星軍が走ってんじゃねぇーぞ!?」
「誰が走ろうと自由でしょう?君に指図される覚えはありません。」
「大ありだ!俺は7代目堕裏亞の総長の大野正!俺のすることは常に正しい!!」
「うわ、めんどくせぇー・・・・」
「ケンカ売ってんのか貴様!?」
〔★凛は本音をつぶやいた★〕
ピリピリしながら言う大野に、耳を澄ませながら言葉を選ぶ。
「・・・・喧嘩は売ってないよ。一度もね?今夜だって、僕の一声でいっぱい集まって来たから。」
「なんだと!?」
「悪いけど、僕は先を急ぐ。そこを通してもらうよ?」
そう宣言して、バイクのハンドルの向きを変えた。
ブロロン、ロロロロッロ!!
「うっ!?」
「うわ!こっち向いた!」
前方向にして、単車のシートに座り直す。
「通してよ。」
――――――――――――――バルバリリリリリ!!
「「「げっ!?」」」
コール音を響かせながら言えば、堕裏亞のメンバーは後ずさる。
けれど、大野は違った。
「ざけんな!俺らの道を、貴様の好きにはさせねぇぞ!?」
強気な態度で、通行拒否。
それに静かな声で私は告げる。