彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「ねぇ、誰か静かにさせてよ!」
「うるさくないのー!?」
「そ、それはそうだけど・・・」
「わっはっはっはっはっー!」
やめさせようにも、ずっと笑い続ける大男。
「そういうお前が行けよ・・・・」
「はあ!?いやだし!キモイじゃんか!?」
「怖いし!男が行けよ!」
「男だっていやなんだよ、ボケ!」
「なんか、祟り受けそうな気がしてハンパネェ―・・・・」
その姿に、ビビって誰も何も言えない。
そんな時だった。
「げ!?」
10代の若者グループが騒いだ時、側にいた20過ぎぐらいの男がさけんだ。
「あ、あのお方はまさか、あの方か!?」
「え!?お兄さんの知り合い!?」
「馬鹿!!知り合いなんて図々しいこと言うな!!」
可愛い女の子の問いに、ひげを生やしたお兄さんが怒鳴る。
「な、なによ!勝手にキレて!」
「まぁまぁ!知ってんのには間違いないみてぇーだぞ?」
「あの、誰なんすか?あの変な人?」
「野獣だっ!!」
仲間の女子をなだめながら男子達が聞き返せば、真っ青な顔でひげのお兄さんは叫ぶ。
「「「や、野獣!?」」」
「そうだよ!あ・・・・あのの方は、おのお人は――――――――!!かつて『野獣』と呼ばれ、人間離れした喧嘩技をする伝説のヤンキー様!」
ぶるぶる体を震わせ、大男を指さしながら言った。
「龍星軍初代特攻隊長、百鬼皇助さんだっ!」
「「「「えええええええええええ!?」」」」
「わはははははは。」
ひげのお兄さんの告白は、衝撃的だった。
「りゅ、龍星軍!?」
タクシーのドライバーも。
「あの龍星軍!?」
トラックの運転手も。
「りゅ・・・・龍星軍の結成者!?」
現場帰りのヤンチャ系お兄さん達も叫ぶ。
「あの伝説の最強ヤンキー集団、悪のゴレンジャーの1人!?」
「わはははは!!」
〔★みんなが知ってる龍星軍のヤンキーだった★〕