彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「・・・・・・・・・・瑞希お兄ちゃん。」
バイクのエンジン音のみになったところで、私は話しかける。
「1号だろう?たく、何度言っても呼び方が治らねぇーな、凛は?」
これに瑞希お兄ちゃんは、何事もなかったかのように答える。
「まぁ、もう俺ら以外はいないからいいけどよー」
「あの・・・・あれ絶対、大惨事になってませんか・・・・!?」
「そうかもしれねぇーけど、お互い様じゃんか?」
「お、お互い様!?」
「おう!俺の可愛い凛に車ぶつけたんだぜ~?お仕置きにしても軽いじゃんか?」
「あう!?」
(可愛い俺の凛!?)
それ、私のことー!?
「俺はそう思うけど・・・・凛は?」
「僕も同じ意見です!」
可愛い顔で私に問いかける瑞希お兄ちゃん。
そんな小悪魔みたいな顔を見たら、常識と交通ルールなんてどうでもいいでしょう!
〔★どうでもよくしてはいけない★〕
嬉しい気持ちでお礼申し上げる。
「僕のためにあそこまでして下さって・・・・ありがとうございます!」
「あははは!大げさだな、凛は?それじゃあ~このまま一気に、ポリ共を引き離すぞ!しっかり捕まってろよ!?」
「はい!離れませーん!」
ニシシシ!と笑う瑞希お兄ちゃんに、きつくしがみ付く。
おかげで、触っている瑞希お兄ちゃんの体の感触がしっかりとわかった。
ああ・・・今日の瑞希お兄ちゃん、下にタンクトップ着てるみたい。
風が吹くおかげで、サラサラ髪の毛が顔に当たって気持ちいい。
男の人なのに、こんなに良い匂いがして・・・幸せ・・・!
全身で瑞希お兄ちゃんを感じられるなんて!
〔★感じ過ぎである★〕