彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
(なにこれ!?どういうサービス!?)
好きな人に言われたら嬉しい言葉。
嬉しいけど、混乱する気持ち。
「み、瑞希お兄・・・!?」
「1号に任せときな~凛総長!?聞いての通りだ、オメーら!止まらず突っ走るぞ!」
「はいはい、凛たん総長が望むなら、俺も賛成~遠慮なく、好きに使ってくれよー?」
「プチオラオラ系バージョンの凛ちゃん、可愛いんですけど!?凛ちゃんのためなら、あたし頑張っちゃう!」
「凛道総長にやる気がなくても、どうせ周りが放っておかんだろう。特別に今夜は、俺がその火の粉を払ってやろう。」
「わははははははは!!生意気言いやがって、凛助総長!全員血祭だぜー!!」
「あ・・・・ありがとうございます。」
届いた言葉に、いろいろ思うところはあったけど。
私のために言ってくれてることはわかったので、何も言わずに口をふさいだ。
お礼を述べて、ポールを握りなす。
それとは反対の手を、瑞希お兄ちゃんの体にまわしてしがみ付く。
「そうそう。こうやって、ちゃんと捕まってろよ?」
そう言って、まわした手を瑞希お兄ちゃんの手が軽くなでてくれた。
「・・・ありがとうございます。」
「おおげさだって!その代わり、ギャラリーとかいたら離せよ?甘えっ子って思われるからな?」
「・・・甘えっ子だもん。」
すねる思いで、小さくぼやく。
聞こえないように言ったけど――――――――
「知ってんよ。」
「え!?」
それよりも小さい声でつぶやかれた。
「凛が甘えっ子は承知の上。だから、俺との時だけ、甘え全快にしとけよ?」
そう言って、目だけで私を見る表情は優しい。
こんなにも優しい人だから。
「・・・・・・・・・うん。」
(好きになったんだろうな・・・・・)
周りに気づかれないように、小さくうなずく。
額を瑞希お兄ちゃんの背中に埋めれば、彼は軽快なコール音を鳴らした。
それと共鳴するように、他の先輩達もにぎやかな音を響かせる。
始まりの夜は、終わりへと近づいていた。
~全員集合!ドキドキロード~完~