彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
本当は、全部言い訳。
細かいことはどうでもいい。
私が望んでいるのは1つだけ。
(瑞希お兄ちゃんの側にいたいから・・・彼と仲良くなりたかったから・・・・)
自問自答(じもんじとう)で、瑞希お兄ちゃんの後ろに張り付く。
「なんだ、凛?寒いのか?」
ぎゅ~~~~と抱き付けば、烈司さん達と話していた瑞希お兄ちゃんが声をかけてきた。
(この場合、寒いと言った方が、くっついていられるよね。)
「寒いです。」
「やっぱ、そうか。4号から上着もらっただろう?着ていいぞ?単車止めようか?」
「いえ、止めなくて大丈夫です。ないですから。」
「なに?貴様、俺からの選別を落としたか?」
「違います、4号さん。言われた通り、敵に向けて脱ぎ捨てちゃったのでないです。」
「はあ!?マジでやったのか、凛!?」
「ほほーやればできるではないか。褒めてやろう。」
「褒めんな、伊織!」
「わーい、ありがとうございます。」
「凛も、喜ぶんじゃない!」
獅子島さんに合わせて反応すれば、めっ!と瑞希お兄ちゃんに怒られる。
「まったく~お前という子は~!凛、マジで武器にしたのか?」
「していいと教えられましたので。」
「教えてからな。」
〔★教える方も教える方だが、する方もする方である★〕
「凛道は、この俺の教えを実行しただけだぞ、1号。」
「オメーは黙ってろ、伊・・・4号!」
「ごめんなさい、お兄ちゃん・・・・僕、余計なことしましたか・・・?」
なんだか、私の立場が悪くなりそうだったので、謝ってみる。
瑞希お兄ちゃんに嫌われるのは、私としてはかなり良くない。
これに瑞希お兄ちゃんは、ミラー越しで困り顔になりながら言った。
「ま、まぁ・・・・まぁ、うん。慎重な凛だから、それをするってことは、そうとうムカついたからしたんだろうし・・・」
「ごめんなさい・・・・!僕を・・・・許して頂けますか・・・?」
「ばか!当たり前だろう!?凛が、良い子だっては知ってるから。」
「怒ってませんか・・・・?」
「・・・怒ってねーよ。勘弁してやるよ!つーことで、凛もヤンチャはほどほどにしろよ~」
「はぁい、お兄ちゃん♪」
笑顔でめっ!と言われ、首を縦に何度もふった。
〔★凛の小動物オーラ発動、瑞希は許した★〕