彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
瑞希お兄ちゃんは、私を庇うようにしながら言った。
「凛は俺が世話した者だ!俺が面倒見る!」
「瑞希お兄ちゃん!?」
(そこまで私のことを・・・!?)
その言葉に、態度に、私の中のラブメーターが上がる。
(好きな人に面倒見てもらえるって!養う=結婚ってこと!?)
〔★凛は、飛躍的(ひやくてき)な妄想を遂げていた★〕
(きゃー!これって、脈あり!?再会早々、家族になれるのも夢じゃない!?)
〔★残念ながら、現状では脈はない★〕
〔★そうなるためにも、性別の修正が必要だ★〕
「きっかけは、皇助だったが、出会いは俺の方が早い!先に面倒見たのは俺だ!凛をどうするかは、一番俺に権利があるはずだ!」
「瑞希。」
「瑞希お兄ちゃん・・・!!」
感動で震えの止まらない。
マスクの下でニヤニヤとゆるむ表情。
「伊織の言い分はわかるが・・・全部正しいとは言えねぇー・・・!特に、凛と面会拒絶にされる意味がわかんねぇからな!?」
そんな私をさらに喜ばせるように、瑞希お兄ちゃんは宣言する。
「凛が危なっかしくて心配なら、俺が見る!俺が凛を守る!」
(頂きましたー!守る発言ー!!)
男前発言をする瑞希お兄ちゃんが、3割増しで愛しくなる。
可愛いのに、かっこよく見えてしまう怪奇現象ならぬ、快気現象!!
「それだったら、オメーらも文句ねぇだろう!?つーか、口出しはさせねぇからな!!」
「馬鹿を言うな瑞希!」
「そうだぜ、瑞希お前・・・」
「本気かよぉ!?」
その言葉に、獅子島さん以外、烈司さんも百鬼も反発した。