彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
◆覚悟了解!!元ヤン昔話
休み時間、窓の外を見ながら思う。
中庭に咲く桜が、風に舞って散っていく姿。
(綺麗な桜吹雪・・・)
うっとりとしたくなる自然の美しさ。
でも、私の心はなごまない。
「だからよー全部謎なんだって!」
席が近い男子達が、集まって騒いでいる声が聞こえる。
「あの『龍星軍』を継いだ4代目、名前以外どこの誰ともわからないんだよ!」
「そうそう!噂では、初代達のお気に入りで秘蔵っ子だってよ~」
「円城寺と庄倉のタイマンは釣りネタで、最初から『凛道蓮』に4代目総長をさせる気だったらしいぜ。」
「うわ~マジか!?俺も見に行けばよかった!サプライズイベント!旗揚げは見に行こうっと!」
「だよなぁ~あの初代メンバーが認めた、男の中の男!要チェックで決まりっしょー!?」
(違うって・・・・!!)
うるさく話す男子達に、言ってやりたかった。
(私、男、違う――――――――――――――――――!!)
耳に入ってくるガセネタに、つくづく困っていた。