彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
最初はお礼だけ言うつもりだった。
でも、年を重ねるごとに【好き】って言いたくなった。
想いを告げようって決めた。
その目的は変わらない。
変えられない。
(目標を変えないためにも、ゴールまでの手順を変えなければいい・・・!)
チャンスを見て、愛の告白をしようと思ったけど、こうなったら手段は選ばない!
(【男】として信頼を勝ち取って、最後は【女】として一発逆転賭けるしかない!!)
常に瑞希お兄ちゃんの気を、私に向けさせるしかないでしょう!?頑張るぞー!!
〔★凛は苦難な道を選択した★〕
〔★しかし、本人は満足そうである★〕
前向き(!?)な気持ちで覚悟で来た私。
気持ちを切り替えた今、向かう先はただ一つ!
(今はまだ、まだ普通の男の子(?)だけど・・・!)
「俺ちゃんと、凛を選んだじゃんかよ!?烈司にグダグダ言われなくても、凛はもう俺の跡継ぎだっ!!」
(まだ、跡継ぎのカテゴリーだけど・・・・!)
「今に必ず、凛は俺以上の頭になる!総長になる!!俺が立派に育てて見せる!後で吠え面かくなよ!?」
(瑞希お兄ちゃんがべた惚れしてくれるような、最強ヤンキーになって恋人にしてもらうんだから!!)
メラメラと、野望を燃やす凛と瑞希。
口に出す瑞希とは対照的に、胸に思いを秘める凛。
やる気は十分に上がった。
「オメーらより、強い子にするから覚悟しやがれ!!」
「かっかっかっ!怒るな、怒るな~わかったよ瑞希。」
私の気持ちをよそに、プンスカ怒る瑞希お兄ちゃんに笑って謝る烈司さん。
「瑞希だけじゃねぇーもんな。俺らも、仕事も慣れてきたところだから・・・ケジメつけないといけないのはわかってんだけど・・・なぁ?」
そう言って烈司さんは、仲間達に視線を向ける。
これで、他の3人もうなずいた。
「そうよねー今、勉強もだけど~お仕事が面白いところなのよねー中途半端はしたくないし、ゾッキーするとなると、夜更かしになるでしょう?お肌の敵になることはしたくないの~でもね、凛ちゃんのためなら応援はするからねー?」
「オメーが今更肌を気にしたところで、誰が見るかよ~!?まぁ、俺様としては息抜き程度で暴れさせてもらえればいいぜ!相談役としてな~?」
「ヤンキー知識のない子供に総長をさせるのは、防弾チョッキをしないで銃弾の中を歩くようなものだ。瑞希共々、様子を見にきてやろう。」
「そういうことだ、凛。心強いだろ~?」
「ははは・・・そうですね・・・ありがたいです・・・」
(・・・かかわる気満々・・・・)
生き生きと言う人達を見て思う。
そんなに暴走族時代は楽しかったのか、と。