彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「基本、凛のことは、俺がマンツーマンで個人指導すっから!」
「瑞希お兄ちゃん・・・」
私の事情など知らない彼は、善意にあふれる言葉をつむぐ。
「あいつらの悪の帝王講義を真に受けなくていい!心配するな!」
「誰が悪の帝王?」
「お前が親玉だろう。」
「そうよ!独り占めしてこの悪人♪あたしもだけど~」
「わははは!悪は否定しないけどなー!!」
「黙れって!!と・に・か・く!凛は俺に、どんどん甘えろよ!わからないことがあったら俺に聞け!その代わり、スパルタ方式でビシバシやるからついて来いよ!?わかったか、4代目っ!?」
「あ・・・・あははは・・・ありがとうございます・・・。」
そんなこと言われたら、そんな顔で言われて、ついていけないなんて言えない。
(言われなくても、ついて行くつもりだけど~~~~!!)
ケッケッケッと笑う外野と、えっへん!と胸を張りながら素敵なスマイルをする瑞希お兄ちゃんに・・・・自分の目標の高さを思い知ったのは日の出の時刻。
(・・・そういえば、『りんどう』の花言葉って『淋しい愛』だったな・・・)
『龍星軍』にまつわる話を聞き、私は4代目総長になる覚悟を決めた。
私が総長をしなければ、瑞希お兄ちゃんがバリスタの勉強をあきらめて犠牲になる。
それの現実回避を目標に、気持ちを奮い立たせる。
(エンディングをラブストーリーで迎えるためにも、瑞希お兄ちゃんが惚れこむようなヤンキーにならなきゃいけない!)
彼とつり合えるような漢(おとこ)になる!
なるって決めたけど・・・!!
(・・・・・・・・・・大丈夫かな・・・・・・・・・・・)
「わはははは!」
「きゃは~ん!可愛い後輩に愛のレッスン♪」
「ふー・・・・やれやれだ。」
「瑞希~マッチ取ってー」
「ライター使えよ。別いいけど・・・ほれ。」
この(瑞希お兄ちゃん以外の)メンツで。
愛のゴールまでの長い道のり。
そこへたどり着くまでの今後に。
これからの自分の生活に、私は不安を消せなかった。
~覚悟完了!!元ヤン昔話の章~完~