彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「この間のタイマンのことで、来たんすよ!」

「タイマン。」



頬をふくらませながら彼女は告げる。



「あたしら『爆裂弾』と『羅漢』の勝負の件っす!あれはー」

「あれはオメーらの勝ちだって言っただろう?吾妻、お前ら高千穂になんて教えたんだよ?」

「ありのままを言ったんす。」



カンナが言う前にノッポの秀が言った。



「あの時、先輩らは『爆裂弾』の勝ちにしてくれましたよね?」

「それがどうした?」

「どうしたじゃないっすよー!?しらじらしい!!」



瑞希の言葉に、小柄な男子が吠える。



「長谷部、急にでかい声出すな。」

「デカくもなります!なんなんですか、『凛道蓮』ってのは!?」



長谷部の問いで全員が瑞希を見る。





「なにって・・・4代目『龍星軍』総長。」

「そうじゃないです。」




うなる様に円城寺が言う。



「あれは、俺と庄倉の勝負だった・・・それを横やり入れられたんですよ?」

「気持ちはわかる・・・皇助が余計なことしたからな。」

「百鬼さんじゃねぇ!凛道蓮の方だ!」



メンチを切りながら大河は瑞希に言った。



「どこのだれか知らねぇけど・・・『爆裂弾』は俺とカンナと秀と悠斗のチームだ。『凛道蓮』なんて男、入れた覚えはねぇ・・・!!」



〔★ここでも凛は、いろいろ勘違いされていた★〕



「おかげで『凛道蓮』てのが、俺らのチームのメンバーだって、他の奴らは信じちまってる!」

「まぁ、座れよ。」



自分だけをニラむ相手に、真面目な顔で瑞希は言う。



「瑞希先輩・・・!」

「それも含めて、話すか?」



席を勧める先輩に、4人は互いの顔を見合う。




「話してくれますか?」

「座ればな。」




そんな瑞希の言葉もあり、彼らは静かに従った。


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