彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
30分後、私と瑞希お兄ちゃんは、烈司さんによって蘇生される。
少しだけ体が痛かったけど、初キッスの余韻で、頭も気持ちもお花畑状態♪
がっかりがあるとすれば、瑞希お兄ちゃんが私にキスしたことを覚えていなかったこと。
・・・・というよりも、気づいてないみたい(号泣)
(それでも、キスした事実はあるから、既成事実ということでご馳走様―!!)
体中に瑞希お兄ちゃんの香りを感じながら、初のバイク練習は、烈司さんによって強制終了。
瑞希お兄ちゃんの体を考え、烈司さんがお店まで送ってくれた。
運転できない瑞希お兄ちゃんのバイクを元ゴルフ場に残し、烈司さんのバイクで帰った。
3人乗りの3ケツをして瑞希お兄ちゃんのお店に帰宅。
烈司さんの運転で、私と瑞希お兄ちゃんが乗る。
狭い後部シートで、瑞希お兄ちゃんに後ろから抱き付かれ・・・ホント幸せ!!
「うう・・・痛ぇー・・!」
「だから、ウィリーで2ケツすんなって言っただろう!?凛たんの前でカッコつけやがって!!」
「うるせぇー!安全運転で走れ烈司!!」
「振り落とすぞテメー!?」
「や、やめてください、お二方(ふたかた)!!」
朝日が差し込む中、喧嘩する2人を止める私。
「ごめんなさい・・・俺が、いろいろ見せてって言ったから・・・」
「いいんだよ、凛!凛は、なんも悪くない!気にしなくていいからなぁ~!?」
「瑞希お兄ちゃん。」
密着状態での瑞希お兄ちゃんからのフォロー。
彼は私の頭を撫でながら言う。
「次は、受け身の練習しような?」
「はぁーい!」
「違うだろう!?バイクで受け身を取らなきゃいけないような事態を防げ!!」
「凛、帰ったら傷口を消毒液して、ばんそうこうしような~?」
「はぁ~い!!」
「おい!?助けてやった俺の言葉を無視かいっ!!?」
烈司さんのツッコミに合わせ、単車はゆるやかにカーブする。
車に乗っているような安定感。
その動きに、瑞希お兄ちゃんの言う通り、烈司さんはバイクの運転が上手だと思う。
でも、それよりも、瑞希お兄ちゃんに手当てしてもらえるイベントの方が気になった。
初めてバイクの練習をした日(?)、私は瑞希お兄ちゃんから初キッス(??)をしてもらいました♪
〔★世間ではそれを事故という★〕
~ヤンキーに、プロデュースされる~完~