彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
成り行きと誤解によって、伝説の有名暴走族『龍星軍』の4代目総長をすることになった私。
普段の私は地味で真面目な高校生。
暴走族の総長をするのは、菅原凛を知るすべての人には内緒。
秘密にしてるんだけど・・・・
「聞いたか!?『龍星軍』の旗揚げ、来月だってよ!」
「知ってる!吉祥天女の先輩が言ってたぜ!合同で集会するって!」
「はあ?半グレがホストして、出迎えるって来たぜ?」
「え!?あれって、ここらの族の頭に召集かけて、盛大にやるんじゃないのか?」
「俺が聞いた話じゃ、ポリの出動避けるために、こっそり集まるらしいぜ。みなと公園のさ~」
「なんだよ?どれが本当だよ?」
(全部違うよっ!!)
同じ学校で、同じ通学路を使う生徒達が、そんなことを言いながら私の側を通り過ぎる。
勝手なことを言う周囲に、何度もイラ立ちを覚えた。
(私の総長デビューは、まずは単車に乗れるようになってからって話なのに!なんで、わけのわからない話が飛び交ってるの??)
こんな風に、話が大げさに広まるなんて・・・・
(でもそれはきっと・・・・)
ムッとする半面、この状況を冷静に分析出来てる自分もいる。
(それだけ、『龍星軍』ってチームが、超高級ブランドクラスの肩書なんだろうな・・・)
この先どうなるかわからない。
わからないけど、私がすることはただ1つ。
(立派な総長になって、瑞希お兄ちゃんに褒めてもらうのだ!!)
それで自信をつけたのちに、彼に愛の告白を~~~!!
〔★その前に、正しい名前と性別を告るべきである★〕
だから、周りが何と言おうと私は!
瑞希お兄ちゃん好みの総長を目指し、愛のために努力するのですっ!!