彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「獅子島さんは、瑞希お兄ちゃんを乗せなければ問題ないって言うけど・・・それ、僕にとったら大問題だよ!」
「あ?なんでよ?俺だけ、仲間はずれにしてるみたいで、気が引けるっていうのか?」
「それもあるけど、一番だから!!」
背後から私を掴む手を取りながら、握り直しながら言った。@
「俺、瑞希お兄ちゃんが好きだからっ!」
「へ?」
「瑞希お兄ちゃんが大好きだから~~~絶対後ろに乗せたいの!!」
そう言いきって気付く。
目の前で、天の目になっている瑞希お兄ちゃんと、呆気にとられている+3名の姿に。
(・・・・あれ?もしかして私・・・・)
「凛お前それは・・・・」
「やーん!愛の告白―!!?」
「あうっ!!」
(そーなるよねー!!?)
〔★みんなの前での告白だった★〕
(わわわー!どうしよう!?男装して、男の子のふりしてる状態で愛の告白!?ヤバいよ私―!!)
このままじゃ、BLになっちゃう!
〔★あくまで、結ばれることが前提の心配だった★〕
「凛・・・今のセリフ、どういう意味で・・・・?」
「はっ!?」
気づけば、瑞希お兄ちゃんが、少し私から体を離している。
引かれてる!?
嫌われた!?
冗談じゃない!
嫌われてたまるか!!
急いで、回避作戦に出た。
「ち、違います!大好きなのは本当だけど~~~また!」
「また?」
「あ、う・・・ま、また・・・・・あの時の再現をしたいと言うか~」
「あの時??再現?」
「ぼ、僕を初めてバイクに乗せてくれた時、すごく楽しかったんですよ!今日だって、あの日みたいに楽しくて、だから・・・!立場は逆ですけど、僕も瑞希お兄ちゃんみたいになりたくて!」
「・・・・凛が家出した日のこと言ってるのか?」
「そうです!」
聞き返してきた瑞希お兄ちゃんに、首を縦に振ると、ドギマギしながら私は語る。
「あの時、瑞希お兄ちゃんが俺をバイクに乗せてくれたおかげで、バイクに乗るのは楽しいって覚えた!大きくなったら、今度は僕が運転する側として、瑞希お兄ちゃんを楽しくさせたいって思ったから!」
自分でもな、何を言っているかわからない。
思い出したままのことを口にした。
いっぱいいっぱいで、気持ちに余裕がなかったが、ありのままの思いを伝えた。