彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「そういうこと!つーことで、凛!オメーの悩み相談受けてやったんだから、あたしにもご褒美よこせよなー!?」
「えっ!?ご褒美って~・・・お店のお菓子のストック棚にあったかな・・・タケノコの山?」
「何でそのチョイスだよ!?タケノコの山派だけどさー!」
「じゃあ、後でスーパーで買ってくるよ。他にほしいものある?」
「って、行くな!外は、オメー目当てのマッポとヤンキーどもが動き回ってんだぞ!?忘れたか!?」
「だけど、カンナさんのお願いを聞いてあげたい・・・」
「あ、あんだと!?」
「だって、僕がわからなかったこと、教えてくれたじゃない?」
大事だから失いたくない。
傷つけたくない。
その想いが強すぎて、私は瑞希お兄ちゃんをちゃんと乗せれなかった。
だけどー・・・・
“凛は本番に強い!これでもう安心だな?”
そう言ってもらえた。
ちゃんとできた。
“これからも、俺を凛のケツに、乗っけてくれよ?”
約束もできた。
大好きな人との約束。
「カンナさん。」
「な、なんだよ?」
少し赤い顔のカンナさんに私は言った。
「僕、カンナさんが大好きだよ。」
「ふえ!?」
「だから・・・円城寺君達が怒らない範囲でいいから・・・僕と仲良くしてください。」
瑞希お兄ちゃんさえいれば、なにもいらないけど。
彼を通して、知り合った人達はみんな気持ちいい。
『菅原凛』として、瑞希お兄ちゃん以外のヤンキーは怖いイメージしかない。
だけど、彼女は怖くない。
仲良くなれるかもしれない、してもいいんじゃないかと思って行ったんだけど・・・
「ばぁーかっ。」
私の問いに、耳まで赤くなったカンナさんが言う。
「ツレの大河を助けた時点で、オメーとあたしはダチなんだよ!」
「カンナさん。」
「つーか、いちいち言うことが恥ずいんだよ!くせーセリフ言いやがって、ロマンチストが!!」
「え?くさいって・・・僕、おかしいこと言った??」
不思議に思い、顔を覗き込みながら聞く。