彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


「僕、カンナさんが大好きだってことしか、言ってないよ??」

「っ!?」





彼女の横髪の一部が、前髪にかかっていたので、邪魔だろうと思ってどかせながら言ったら・・・





「ひゃ・・・!?」





か細く彼女は叫んだ後で。







パァァァーン!!


「あう!?」

「だっ、だから!!そういうところが天然たらしだってのー!!!」

「ええ~~~~!!?どこら辺がーーーー!!?」






2度目の平手打ちで返された。

1回目とは逆のほっぺ。





「なっ!?なんだどうした、凛!?」

「凛ちゃん!?」

「良い音色がしたな。」





バウン、バウン!

ブオン、ブオンブオン!


「ただいま~と!つーか、今、凛たんの理不尽な悲鳴が聞こえたけど・・・どーした、瑞希?」

「わははははは!大量大量!久々の殴りあい最高だったぜ!おう凛助!カンナ相手に、何の悪さした~!?」






まるでキリスト教徒の教えに出てくる仕打ちをされたと思っていたら、バイクにまたがった先輩達も帰って来た。






「センパイ達!こいつたらしっすよ!取り締まって!」

「だから、なにがいけないの―――――??」






全員集合で終結したお店の前は、しばらくお祭り状態に。


いろんな疑問を残しましたが・・・・














「じゃあ、凛の完全合格を祝してカンパーイ!!」

「「「「「かんぱーい」」」」」


「あ、ありがとうございます・・・・!」





瑞希お兄ちゃんの号令で、グラス同士がぶつかる。

Closeの看板を掛けたお店の中、お祝いムードの夕食会が開かれた。





(いろいろ聞きたいことはあるけど・・・・今はいいかな・・・)




騒がしい中、瑞希お兄ちゃんの隣をキープした私は、彼に密着しながら疑問を後回しにした。






「凛は、いい子だなぁ~♪俺の中じゃあ、一番可愛いぞ~!?」

「もう~瑞希お兄ちゃん、酔っ払っちゃって~!でも、嬉しい~♪」






その後、この日の一件が、またややこしい展開へとつながってしまったとは知らず、ご機嫌な瑞希お兄ちゃんに甘えた私。

側でその様子を呆れながら見守る初めてのヤンキーの友達と、苦笑いしたり、嫉妬したりしている先輩に見守られながら、長い一日を終えた。





~ツッパリ警報発令!ウォンテッドにご用心!!~完~




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