彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
(お母さん達に気づかれないように、脱走してきているのに・・・。バレないためにも、彼らが起きる前には家に戻らなければいけないから・・・!)
こうなるとわかっていれば、内緒で出かけるじゃなくて、『友達の家に泊まりに行く』と言って出かけたのに・・・・!!
泊まりたいけど、泊まれない。
(アリバイの準備ができてないから、無理だよぉー!!)
〔★アリバイがあれば、いいらしい★〕
(うぅ・・・始発で帰るつもりでいるとはいえ、朝ごはんまで食べるとアウト!)
仮に、苦渋の思いで朝ご飯を断ったとしても・・・!!
ちゃんと朝起きれる?
今の時間から寝て起きれる??
それよりも問題なのは―――――
(私を探し回っている連中に見つからないように、着替えを隠してる場所まで行ける?)
本当は、このまま宴会の片づけをして終わった後で、闇夜に紛れて服を置いてるロッカーまで行く予定だった。
こっそり着替えて、始発の時間になるまでコンビニかスタバで待つ予定だった。
(それらの時間を考えれば、とてもじゃないけど寝る時間なんてない・・・・!)
目の前に美味しいご馳走が落ちてるけど、それを食べるよりも自分の身を守るのが優先。
私に何かあれば、瑞希お兄ちゃんに迷惑がかかる。
(なによりも、瑞希お兄ちゃんにそんな形で正体がバレれば―――――嫌われるかもしれない・・・・!!)
〔★ならば、先ほどの妄想の段階でアウトである★〕
(そうだよ・・・私、狙われちゃってるみたいだから、気をつけなくちゃダメなんだ・・・!)
これからは、『凛道蓮』になる時は気が抜けない。
今まで以上に、周囲に注意して変身しなければいけない。
変身を解く後もそう。
『凛道蓮』から、『菅原凛』に戻るまで油断できない。
してはいけない。
(・・・・・・そうなると、答えは一つだよね。)
考えがまとまったところで、私は言った。