彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「な・・・なんで?」
え?なにこれ?
(今、どういう流れになってる??)
何気なくつぶやいた私の言葉に、ふっと笑いながら獅子島さんは言った。
「やはりそうか・・・『なんで?』とは、質問で質問に返す奴がいるか。」
いやいや!
そういうつもり言った「なんで?」ではありません。
(というより、変な誤解が発生しようとしてる!?)
返事に困っていれば、獅子島さんは私に言う。
「さっきも言ったが凛道、お前はバイト代はいらないということらしいな?」
「そ、それがどうして、生活保護と関係が??」
「誤魔化すな。生活保護を受けている家庭は、子供がバイトなどしていると、その分を支給額から引かれる。」
「まっ・・・!?」
間違いない、この人!!
(私が生活保護受給者の家庭の子供だと勘違いしてるんかい!?)
〔★つじつまの合う勘違いだった★〕
「ええ!?マジか伊織!?」
「へぇ~さすが、頭良いやつは何でも知ってるな~」
「何言ってんの!?感心してる場合じゃないでしょうアンタ達!?みーちゃん、バイト代も免許もダメっていうのは・・・!?」
「そういう理由だったのか、凛・・・!?」
獅子島さんの言葉を受け、戸惑う先輩達を代表して瑞希お兄ちゃんが言った。
「オメーが、凛がバイト代受け取らないっていうのは・・・いつも、家庭事情だって言って携帯の件も隠してたのは・・・・生活保護受けてるからか・・・!?」
「み、瑞希お兄ちゃん!僕っ!」
「言うな!!」
しろもどしていれば、獅子島さんを押しのける瑞希お兄ちゃん。
「ごめんなぁ、凛!!」
「ぐえ!?」
抱擁とは程遠い感じで、抱きしめられた。
「まさか・・・!凛が、親のせいで、そんなに苦しんでるなんて思わなくて・・・!」
「み、瑞希お兄ちゃん苦しいです・・・!」
「そうか・・・!そんなに、苦しい生活してるのか・・・!」
「いや、あの・・・違います・・・!呼吸が・・・!」
「ああ・・・わかるぜ・・・息苦しい生活してんだな・・・!ごめんな、気づいてやれなくて・・・!」
〔★話がかみ合っていなかった★〕