彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)

ぐえーとなる私に気づくことなく、瑞希お兄ちゃんは言葉を続ける。





「凛!これからは、いつでも俺のところに避難してきていいからな?俺を・・・・本当の、お、お兄ちゃんだと思って、甘えていいからな・・・?」

「み・・・瑞希お兄ちゃん・・・!?」





恥ずかしそうな顔で言われ、そのまま昇天しそうになる。





「つーか、俺らに甘えればいいだろう、瑞希?」

「みーちゃん、抱きしめすぎ!凛ちゃん呼吸困難を起こしかけてる!」

「わはははは!清い貧乏は、清い心を生むってかぁ~!?」

「そういうことだ、凛道。」

「オメーら!?」

「ぷはっ!?みなさん!?」





私の呼吸を確保しながら言う先輩達。

見れば、取り囲まれていた。

その状況にドキドキしていれば言われた。





「不景気なご時世だが、そういう時こそ、反骨精神でグレればいい。凛道、このバイクはお前のもだ。親など気にせず、遠慮なく使うがよい。」

「わはははは!無免許でもいいじゃねぇか!世の中、バレなきゃいいんだ!バレなきゃ!!」

「そうよ、凛ちゃん。あたし達だって凛ちゃんぐらいの時は、免許なしでバイクに乗ってたから大丈夫よ。」

「その代わり、1人で単車に乗ってる時は、ポリ公に捕まらないように注意しな。」

「い、いいんですか・・・それで?」


「「「「いいんだ。」」」」





〔★説得力のない注意だった★〕



大合唱する4人の先輩。

それに固まっていれば、頭を撫でられた。





「心配しなくても、俺らといる時は、凛に運転は絶対させねぇよ!」

「瑞希お兄ちゃん!」

「まぁ、ポリ公が見てないとこでは、オメーの後ろに乗せてもらうぞ~仕事終わった後は、疲れて運転したくないからなぁ~?」





ニヤリと、いたずらっ子みたいな顔で告げる愛しい人。

胸を射ぬく笑顔に・・・





「わ、わかりました・・・」


(応じるしかないじゃなーい!)





見惚れるいけない私。



〔★良い子はマネしてはいけません★〕





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