彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
(このまま・・・・私は瑞希お兄ちゃん達を、だまし続けるのかな?)
かりそめの嘘で、つながっている関係。
誤解が積み重なって出来上がった『凛道蓮』という男の子。
綱渡りのような状態。
間違えられたとしても、私は・・・・・
「・・・・瑞希お兄ちゃん。」
「どうした?」
前を歩く4人に聞こえないように小声で聞いた。
「もし・・・俺が、蓮道蓮じゃなかったら・・・・どうしますか?」
「はあ?」
私の問いに、彼は目をぱちくりさせる。
もし、彼が・・・・
「俺が、凛道蓮じゃない別の人間だったら、嫌いになりますか・・・?」
嫌だと言ったら・・・・!
漠然とした不安の中での問いかけ。
それに瑞希お兄ちゃんは、不思議そうな顔をしたけど。
「ばか。」
「あ痛!?」
デコピンされる。
反射的に額を抑えれば、ムニッとほっぺをつままれた。
「み、瑞希お兄ちゃん!?」
「マジな顔するから何かと思えば~何言ってんだよ、ばぁーか!」
そう言って、赤い舌をベーとだされる。
そして、私の頬から手を離すと言った。
「凛は凛だろう?名前とか肩書とか関係なく、俺の大事な凛だよ。」
「―――――!?」
「なんも変わらねぇーよ。凛は凛だから、俺は好きなんだぜ?」
そう言って、ポンと私の肩を叩いて抱いてくれた。
(大事な・・・・)
その言葉の重さをかみしめる。
同時に、私は幸せだと思った。
偽りの形でもいいから・・・神様お願い。
もう少しだけこのままで、『凛道蓮』でいさせて。
危険と背中合わせでも、失いたくない。
~神様お願い!!LOVEはキャッチで、危険はリリースで!!~完~