彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
宮司になるだけあって、温和で優しいおじさんだった。
ジャリ、ジャリと、音を立ててやってくる手には、はたきのようなものがある。
あれも、お祓いをするためのアイテムらしい。
そんな宮司さんの姿を、スタンドをかけたバリオスの後ろで、私は瑞希お兄ちゃんと並んで立って待っていた。
「お待たせしました。では、はじめましょうか?」
「はい、よろしくお願いします。」
「お願いしっ、わわ!?」
「本当に、よろしくお願いしまっスっ!!」
神主さんが頭を下げたので、同じように下げようとしたら・・・瑞希お兄ちゃんの手が伸びて着て下げさせられた。
(もう!そんなことしなくても、ちゃんとお辞儀するのに~!)
でも、ボディタッチされたから良しとしよう♪
そんな私達に、若い巫女さんが口元を抑えながら笑う。
宮司さんもニコニコする。
しかし、すぐに宮司さんは表情を引き締めて、祝詞(のりと)というものをよみ始める。
「祓えたまえ、清めたまえ・・・・!」
宮司さんがお祈りしてくれてる間、私と瑞希お兄ちゃんは無言で頭を下げていた。
本当はいけないけど、目だけでそっと瑞希お兄ちゃんを見る。
そこにあったのは、長いまつげを伏せ、口を閉じた可愛い顔の制止画像。
(ああ・・・可愛い顔見れて、チョー幸せ・・・!)
軽いめまいを覚えながら、目を閉じてにやけてしまった。
なぜこうなったのか。
瑞希お兄ちゃんと神社に2人というシチュエーションになったのか。
気になるでしょうから、お話しましょう♪
話は、バイクをもらった日まで早戻りします!