彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「黙れよ、尾村・・・!あいつを知らないくせに、想像で話してんじゃねぇぞ!?」
「はははは!聞いたかよ~!?やっぱり、こいつ庇ってるぜ!?仲間の蓮ちゃんをさ~!?瑞希お兄ちゃんのお気に入りだから、立ててやってんのか~!?よっぽど、瑞希お兄ちゃん大ちゅきなんでちゅねー?」
「これが最後だ尾村・・・!瑞希さんへの侮辱は、テメーの体を痛めるって・・・!?」
「けっ!黙れじゃなくて、事実を聞きたくないんだろう、円城寺!?真田瑞希がどれほどか知らねぇが、奴が大したことねぇて事は、俺が証明してやるよ!俺が凛道連を血祭りにあげてな!」
いいや、許さないとかじゃなくて。
(こいつを許してはいけない・・・・・!!)
我慢できないんじゃなくて、我慢しない。
しかるべき制裁を。
それが『俺』のこれからのやり方だ。
「初代に守ってもらわなきゃ、活動できない蓮ちゃんなんだろうー?そいつに、格下に総長の座を奪われていじけてるだけだろう、オメーは!?」
瑞希お兄ちゃんにまだまだ甘えてるけど、いつか必ず、俺が瑞希お兄ちゃんを守れるような漢になる。
「お前みたいなじゃじゃ馬を乗りこなすなんざ、早くお目にかかりたいもんだぜ。」
瑞希お兄ちゃんだけじゃなく、俺を心配してくれて世話を焼いてくれるカンナさんも安心させる。
そして、彼女を、友達を庇ったいいところを見せて、また瑞希お兄ちゃんに褒めてもらう・・・!
(そう、すべては瑞希お兄ちゃんの愛をゲットするためっ!!)
そのために私がするべきことは―――――――
「おむらぁ・・・タイマンしたきゃ、俺が今すぐ受けてやる・・・・!かかって来い!」
「冗談だろう~!?俺は凛道連とならしてもいいんだよ。」
(私の愛する瑞希お兄ちゃんを馬鹿にしたクズを始末することぉ・・・!!)
「龍星軍にもなれなかった格下はお呼びじゃないんだよ。」
「・・・・ほほぉー・・・・」
(お前の気持ち、よーく、わかった。)
口の中で、ため息のようにつぶやく。
感嘆(かんたん)したわ・・・・!!