彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
てか、凛道蓮、凛道蓮って、うるさいんだよ。
会ったこともない奴が、今日初めて見た奴が、タイマンタイマンうるさいんだよ。
平和主義の私に、瑞希お兄ちゃんへの悪口を聞かせることでその気にさせるとは・・・・さすが、高校1つ〆てるだけあるわね、番長?
言いがかりで喧嘩の輪を広げようなんて、とんでもない奴。
〔★凛の考えも、言いがかりが含まれている★〕
もうたくさんだ。
瑞希お兄ちゃんと龍星軍への悪口。
黙れ、くそやろう。
黙れと言うか。
(ダマラセル・・・・!!)
場の空気が最高潮になったのにあわせて、私も答えた。
「今すぐ相手できるのは、凛道連だけだ。お・わ・か・り?」
「わかりました。」
そんなに頼まれたら仕方ない。
そこまでお願いされたら仕方ない。
七夕じゃないけど、サンタじゃないけど。
(叶えてあげる・・・・!!)
返事をさせる時間は与えなかった。
そんな権利、目の前のゴミにはないから。
「ピンポンパンポーン♪え~ご指名頂きました~凛道蓮でーす♪ただいまより、尾村VS凛道連のタイマン、開始でーす♪」
不愉快な生き物に、不意打ちの形で声をかけた。
「な・・・?」
驚く敵の反応に、笑みがこぼれる。
もっとも、口元を隠してるので、見えることはないけど―――――――
(ああ、嬉しいな・・・♪)
散々、ぼろくそに、私の大好きな人を侮辱してくれたクソ野郎よ。
是非、お礼をさせてくれ。
アンコールが来ないように、本気の一発決めるから♪
「誰がアバズレだゴラぁ―――――――――――――――!!?」
ドッゴーン!!
(――――――――――思いしれっ!!!)
角度を定め、全身全霊の力で急所に蹴りを叩き込んだ。