彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
女子力全開マックス。
なつかしのK-1で言えば、ハイキックを尾村にお見舞いする。
それは空を切って、
「べばぁ!?」
防御も何もしてない敵に入る。
手応えの良さと、間抜けな声に技が決まったと自覚する。
その一撃で、少しだけ体が浮かんだ尾村ま、寄せていた机の上に倒れた。
ガッタガタガタ!バーン!!
「ぐっおお!?」
無様な声と姿!!
奴はそのまま、机の下敷きになった。
なんか、落石注意みたいな感じで、尾村が倒れた上にほかの机が重なる。
「う、ぐぅうーん・・・・・!」
(ケッケッケッ!)
どす黒い笑いが止まらない。
(ザマーミロ・・・・!!)
牛みたいにうめき、一瞬の苦痛で動かなくなった馬鹿。
それを見届けたところで、これ見よがしに言ってやった。
「なんて失礼な人でしょう。」
ほこりが舞う教室の中、奴を蹴った方の足を利き手で払いながら告げる。
「リアルの真田瑞希さんを知らないクズが、堂々と評論家気取りで語ってんじゃねぇーぞ?」
(ゴミが神を語るな・・・!!無礼者めっ!!)
そう思いながら、撃沈させた相手を笑顔で見下す。
「瑞希お兄ちゃんの悪口を言う奴は、許せません。」
許さないと言うか、許さん。
これからは、即有罪。
にやける口元で宣言すれば、途端に名前を呼ばれた。
「凛道蓮!?」
蔑(さげす)みながら言う私に、覚えのある声が響く。
ん?おや、これはこれは。
視線を向けて、思わずにっこり。
声を上げたのは、私が片づけたゴミと怒鳴り合っていた人物。
「やあ、円城寺君。」
私が手にしているお弁当の持ち主。
利き手に持っていた包みを持ちなおすと、彼の方へと向きなおしてあいさつする。
「こんにちは~元気だった~?」
極力フレンドリーに声をかける。
彼、怒りやすいから、和やか声で言ってみた。
結構気を使った上での会話。
そんな私の問いかけに、円城寺君は目を見開く。
聞える声で言ったのに、なぜかすぐには答えてくれなかった。
~お礼参りで気合入れろ!一本勝負で夜露死九(よろしく)!?~完~