彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
◆漢を見せるぜ!レッツ、LOVEファイト!?
神出鬼没で現れた凛道蓮。
不意を突かれたが、俺は聞くことは聞いた。
「り、凛道!?お前、凛道蓮か!?」
「うん、そうだよ円城寺君。骨折、よくなったみたいだね?よかった。」
「お、おう・・・!って、そうじゃねぇーよ!?なんで、お前がここにいるんだ!?俺の学校に!?」
あまりにも呑気な声で言うので、流されかけた。
俺の体を気遣う態度につられかけて、慌てて仕切り直す。
その質問にあいつは、あいまいに笑いながら言う。
「ああ~・・・うん。話せば長くなるんだよね~」
「話せば長いだぁ~!?」
「そうそう!あ、カンナさんも久しぶり―!」
「あ、おい!?」
さらっと話題を変えながら、カンナの方へ行く男。
(こいつ!逃げやがったな!?)
「待て、コラ!」
そうだとわかったので、ニラみながら後を追う。
そんな俺を気にすることなく、軟弱な顔でカンナに話しかけた。
「大丈夫だった、カンナさん?ケンカになりそうだったけど・・・怪我ない?心配したよ。」
「心・・・はあ!?あ、あほ!あたしは平気なんだよっ!」
「本当に?それならよかった~」
そう言って、ニコニコしながらカンナを見る凛。
見られているカンナの顔は赤い。
(あの女~~~~!惚れたんじゃないだろうな!?)
そんな考えがよぎるぐらい、カンナらしくなかった。
「なんなんだよ、あれ!?カンナが可愛く見えるんだけど、秀!?」
「奇遇だな・・・俺にも、カンナが乙女に見える・・・なぁ、大河・・・!」
「うっせぇよ!おい、凛!うちのもんに気安く~!」
「カッコぃい・・・・!」
声をかけるんじゃねぇと言う前に、甲高い声がそう言った。
(カッコいい!?)
その単語が聞こえた方を見る。
言ったのは、窓際から俺達を見ていたギャラリーの女共だった。