彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「すっげー!尾村さん倒れる瞬間バッチリ!」
「凛道蓮は、足しか写ってないな~ムービー?」
「写真も、顔の部分がわからねぇぞ?」
「文句言うなら、送らねぇ-ぞ?」
「嘘嘘!けど、さすが、初代の真田瑞希さんが選んだだけあるよな~!」
「めっちゃつえぇーよ!」
(おいおいおい!野郎にも人気かよ!?)
スマホや携帯を取り囲んで、盛り上がる野郎達。
タメ、年上にかかわらず、大の男どもが興奮している。
〔★男子高校生達の視線も熱くなった★〕
わき立つ野次馬の効果もあって、呆然としていた尾村の手下も動き出す。
「お、おいコラ!テメー何者だ!?」
「まさか・・・凛道蓮か!?」
そう言いながら、凛道をニラむ3年にあいつは言った。
「おやおや・・・サンッザン!!呼んでおいてずいぶんな態度ですね~!?おかしいですね・・・上が馬鹿だと、側近が賢くなるはずなんですけどぉ?」
「な、なんだとコラ!?」
「小僧!ぶっ殺し―――――!」
「殺す。」
ゴスっ!!
「ぐえ!?」
「ええ!?」
「何!?」
尾村の手下が言い切る前に、凛道の右ストレートがみぞおちに炸裂した。
「うっ・・・うげええ・・・!」
「井上!おい、しっかりしろ!」
「お前!?いきなり何~」
「殺すんだろう?」
仲間を介抱する敵に、凛道は笑顔のまま言った。
「俺を殺すんだろう、お前ら?尾村さんの教えに沿って、俺を殺すというなら、俺も防衛手段を取るのは当たり前じゃないか?殺される前に、殺す・・・・ってね~・・・!?」
ニヤリと笑いながら、冷たい声で言う姿。
凛道の言葉に、3年共は大口開けて固まっている。
完全に気おされていた。
「ジャックフロスト・・・・」
誰が言ったか知らないが、まさにその通りだと俺は、俺達は思った。