彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「テメーなんてことしやがる!?」
「いや、だって・・・これ喧嘩でしょう?」
苦情を言う敵に、私も文句で返した。
「僕1人に対して、君達は数も多いから。僕の方が不利でしょう?」
「そ、そうかもしれねぇーけど!」
「あと、最後まで話を聞くのが面倒だったし・・・・。」
「こいつ!さらっと、ひでぇーこと言ってるぞ!?」
〔★文句というより、屁理屈だった★〕
「噂通りの悪魔だ、悪魔!ジャック・フロストだ!!」
「やっぱり、真田さん達が認めただけの後継者だぞ!」
「人間として、感覚がズレてる!無害な振りして有害だ!」
「外道!ひとでなしめっ!」
「あなた達もでしょう!?悪口にしても、別の言い方はないんですが・・・?」
「どこが悪口だ!?くやしいが・・・・褒め言葉だバカ野郎――――!!」
(褒め言葉って・・・・)
〔★まったく嬉しくなかった★〕
顔をゆがめながら言う尾村の仲間達に、その言葉を素直に受け入れられない私。
そこへ、陽気な声が響き渡った。
「きゃーはははは!すげー褒められてんじゃんか、凛!?」
「え!?その声は・・・カンナさん!?」
友達のヤンキーガールだった。
お腹を抱え、笑いながら彼女は言った。
「そいつら、マジビビりながら言ってんのに、凛は気づいてねぇーの~!?どんだけ鈍いんだよー!?」
「え?ビビる・・・?」
「だ、黙れ高千穂!」
「犯されたいかバカ女!?」
戸惑う私をよそに、下品な言葉でカンナさんを悪くいう連中。
ただ、ビビっているということを否定しなかった。
(まさか・・・本当にカンナさんの言う通りなの??私みたいな女の子相手に、大の男が・・・怖がってる??)
〔★今の凛は男の子である★〕