彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


「お、お前ら!俺達無視してんじゃねぇぞ!」

「凛道蓮に、円城寺大河っ!」

「まだ、勝負は終わってねぇ~!」


「「はあ?」」





何事かと、奇遇にも、円城寺君と声を合わせて反応する。

声がした方を見れば、額に青筋を浮かべたヤンキー集団が目に入る。





「尾村とゆかいな仲間達じゃないですか?」





円城寺君との話に夢中で、無視していた敵達だった。





「何が愉快だ!?」

「面白すぎんぞ、オメーら!?」


「え?いや、そこまで褒められるほどのことはしてませんよ~ねぇ、円城寺君?」

「馬鹿!愉快=不愉快って意味だ・・・!」





照れ笑いすれば、呆れたように円城寺君が教えてくれた。





「これ以上、テメーらに勝手はさせねぇ!」

「二人まとめて殺す!」




そう言いながら、私と円城寺君に駆け寄ってきたけど、





「「そうはさせっか!」」


ボキッ!ドン!


「「うぎゃあ!!」」




左右から出てきた人影が、敵をブロックしてくれた。




「秀!悠斗!」

「うちの頭には、手出しさせねぇぞ!」

「爆裂弾なめんなよ!!」




助けてくれたのは、吾妻君と長谷部君。

円城寺君に名前を呼ばれ、ドヤ顔する姿も、決め台詞もカッコよかった。




「わ~二人ともすごいね!円城寺君は、頼もしい友達を持ってるんだね~?」

「っ!?ま、真顔で恥ずかしいこと言ってんじゃねぇよ!この天然野郎!」

「つーか、どう見てもこいつ、天然だよな?」

「天然しかねぇだろう?」


「そうだよ!そいつは天然だっ!!」




赤い顔で、私を天然と言う円城寺君。

それに、長谷部君と吾妻君が天然と連発した後で、甲高い声が断言した。




「凛は正真正銘の天然だよ!!」

「カンナさん!」




爆裂弾の中では、唯一私に好意的な人。

速足で近づくと、私の前で立ち止まりながら言った。


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