彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「オラ、オメーら遊びはそこまでだ!このまま、離脱するぞ!」

「離脱?」

「先公がここに来る!秒読みカウント入ってんんだよ!」


「ええ!?先生がくるの!?」

「高千穂!今さら、白々しいこと言ってんじゃねぇぞ!」




思わず声を上げれば、敵対していた尾村の仲間も口々に言う。




「それで俺らがビビって、引き下がるとでも思ってんのか!?」

「先公はうちのもんが、こっちに来させないようにしてんだよ!」


「馬鹿が。カンナは、その場限りの嘘なんざついてねぇよ。」

「秀!?」

「君は、吾妻君!」




答えたのは、背が高い爆裂弾メンバー。

ポケットから取り出したスマホを、全員に見せるようにかざしながら言った。




「尾村のとこの2年が通行止めしてたんだが、そのバリケードが壊れたみてぇなんだよ。」

「え・・・!?」


(もしかして・・・・)


「それって、先生方を足止めしていた人達のこと?」




心当たりを、涼子ちゃんからの情報を口にすれば、爆裂弾メンバーの顔色が変わる。




「なんだお前、そこまで知ってんのかよ!?」




そう聞いてきたのは、爆裂弾の中で一番小柄な男子。




「君は長谷部君。」

「やっと名前覚えやがったか、天然!そうだよ、雑賀の組長が珍しく出張ってこなかったから、これだけ派手に出来たけどよ~組長も俺らの騒ぎに気づいたって、Twitterに流れてんだよ!」

「え?組長?Twitter??」

「雑賀って先公のあだ名だよ!」

「さいが!?」


(瑞希お兄ちゃんの元先生!?)




今日知り合ったばかりの大人を思い出す。




「悠斗、名前だけ言っても、凛にはわからねぇよ!会ったことねぇーわけだし!なぁ、凛?」

「え!?う、うん・・・」




〔★実際は、会ってお茶をしていた★〕

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