彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


「凛にも見せてやりてぇぞ、あの悪人面~!組長みてぇな強面でよぉ~きゃはは!」

「あ、ああ・・・それで組長なんだ・・・ふ、ふーん・・・納得したよ、カンナさん・・・・」



(組長か・・・生徒から見ても、そういう風に見えるんだ・・・)



第一印象からしてそうだった・・・。




「納得だよ、カンナさん・・・よーく、わかった・・・。」


(・・・組長と呼んでもいいぐらいの顔だもんね・・・)




〔★凛は失礼な納得の仕方をした★〕





「まぁ、うちのガッコーの生徒じゃないお前に、組長のこと言っても仕方ないけどな~」

「そ・・・・そうだね・・・!知らないな~・・・!」



〔★凛は、しらじらしい嘘をついた★〕




(知ってるのを知らないと言うのもよくないとは思うけど、この状況で知ってるって話したら、またややこしいことになりそうだから・・・)


あえて、今回はスルーしよう。



「つーか、悠斗!Twitterってなんだよ?」



挙動不審(きょどうふしん)になる私をよそに、円城寺君が質問する。



「尾村達の行動が、Twitterに流れてるってことかよ!?」



親指で、バットを持って固まっている男達を指さしながら円城寺君が聞く。



(それは、私も気になってた・・・)



これに長谷部君はあっさりと答えた。




「ほら、大河さ~今日、吉本をブッ飛ばしただろう?あん時から、大河の行動が尾村一派経由で流れてんだよ!」

「はあ!?んだ、そりゃあ!?」

「うわー・・・リアルライブ中継ですね・・・」

「うっせいよ、凛道!くそ~プライバシーの侵害で訴えてやる!」

「そういうのはあとにしろよ、大河。」

「組長が来る前にズラかろうぜ!




吾妻君からの情報に、どうしたものかと考える。




(東山の生徒じゃないけど・・・先生に捕まるのはまずいよね?)




下手したら、身元がばれるかもしれない・・・

身元はもちろん、性別も、学校サボってることも―――――

これは困ったとあせったが、困っているのは私だけじゃなかった。



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