彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



(あ・・・・・!?)


あぶない。




「円城寺覚悟!」

「なっ!?」

「―――――――円城寺君、伏せて!」




カンナさんの手を振り切り、きびすを返して後退する。




「凛!?」

「!?――――――――――くっ・・・!」




私の言葉に応じて、円城寺君が目を見開きながらもしゃがむ。

がら空きになった円城寺君の頭上へと、手にしているトンファーを向けた。




「はっ!!」


ガツン!!





攻撃を仕掛ける金髪よりも、円城寺君よりも早く反応する。

2本あるトンファーの一本で、バットを防いだ。




「なっ、なにぃ~~~!?」




それでバットをふるった奴が、大口を開けて驚く。

私は、口を一文字に閉じる。





「こんっのぉ~~~~~~~~~~~~~!」





気合を込めてうなると、空いている片手で、もう一本のトンファーで、金髪男の体を突き飛ばした。





「うりゃあああああああああ!!」



――――ゴッスン!!


「ぐふっ!?」





先手必勝。

先に攻撃したのがよかった。

急所をとらえて、後ろから攻めてきた敵を撃破した。




「りんっ!?」

「大河!?」

「うお!?マジ!?お前ら無事!?」




私の背後で、爆裂弾のメンバーの声が上がる。

それを受け、目の前で座り込んでいる男子に言った。




「円城寺君っ!大丈夫!?」




ヒュンと、トンファーを下ろしながら聞けば、ポカーンとしていた円城寺君の目つきが鋭くなった。





「・・・・余計なことすんな・・・・!」

「え?」





返ってきたのはそっけない一言。

そして、なぜかニラまれる。





「で、でも・・・」

「誰も助けてくれって頼んでないだろう!自分の安全だけ気にしてろ、ボケ!」





・・・・別に、感謝してほしかったわけじゃない。

危ないと思ったから助けただけ。

円城寺君が私に対して意地悪なのは、今さらだけど・・・




(そんな言い方、ないんじゃないの!?)




さすがに、ムッとしたから言った。

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