彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「僕がやらなかったら、円城寺君がやられてましたよ・・・!?」
そう円城寺君に、言い返していれば、
「四代目、もらった!!」
「へ?」
背後から罵声が上がる。
突然のことに、目しか動かない。
確認が追いつかない。
瞳に映ったのは、私の狙う尾村の仲間。
しまったと思って、身構える前に――――――
「させっかよ!」
ドカン!
「ぐあ!?」
「なっ・・・!?」
突然、私と円城寺君との距離が一気に縮まる。
彼の方からつめてきた。
「え、円城寺君!?」
「よそ見してんじゃねぇよ、ボケ!」
吐き捨てながら、殴り飛ばした相手に唾を吐きながら言った。
「他人の心配より、自分心配しな!オメーが俺にしたことは、余計なこと・・・わかったか凛道蓮?」
そう語る表情は、さっきとは違う。
ギロッとしてない。
ニヤッと、不敵に笑っていた。
「円城寺君―――」
「礼はいらねぇぞ。」
してやったりという顔で私に言う。
「これで貸し借りなしだ。つーか、俺が一回多く助けてるから―――」
「―――また危ない!!」
「は?」
何か言っている円城寺君の話を無視して、私は叫ぶ。
バットを構えて、円城寺君に忍び足で近づいたドレッド頭。
ドヤ顔してる円城寺君を無視して、トンファーで撃退。
バン!
「あだぁー!?」
やっつけてから、円城寺君に向き直る。
「ああ、よかった!」
「テ、テメー!」
「うん、余計なことをしたよ。これで貸し借りなしでしょう?」
「っう~~~~!!」
そっくりそのまま言い返せば、真っ赤な顔で口元をゆがめる円城寺君。