彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「お前な!マジでムカつくんだよ!何様のつもりだ!?」
「何者でもないよ。ただの一般人だよ?」
「ただの一般人が、龍星軍の頭にエントリーしたり、チームつぶしたり、学校に乗り込んでくるかよ!?」
「だから~エントリーもここへ来たのも、円城寺君絡みですよ?」
「ああいえばこう言い、こう言えばああ言いで、減らず口め!」
「ちょっと、いい加減、僕に責任を押し付けるのはやめてください。」
「うるせぇ!大体、お前は~」
「なんだって言うんですか!?」
向かい合って、お互いをにらみながら文句を言い合う私達。
「バッキャロー!喧嘩してる場合か!次が来てるぞ!?」
そこへカンナさんの声が響く。
「あん?」
「来てるって?」
(なにが??)
「後ろ!」
「永久に黙りやがれ―――!」
「あっ!?」
(敵か―――――――――――!?)
カンナさんと、サングラスをしたヤンキーが円城寺君に飛びかかる。
(納得。というか、敵しかいないもんね~)
鈍い自分に、内心で笑いつつ、手にしたトンファーを握り直した。
「君が黙りなさい。」
ドス!
「うへ!」
円城寺君の代わりに返り討ちにする。
「ああ!?テメー、俺の敵をとってんじゃねぇぞ!?」
「会話を遮ったから。」
「また来てるぞ、凛!」
「ポーカーフェイス野郎っ!」
再びカンナさんからの警告。
私への攻撃だと思った時、
「――――――話の邪魔してんじゃねぇーよ!!」
ボコ!
「ぐえぇ!?」
代わりに円城寺君が返り討ちにしてくれた。
「円城寺君!」
「おい、もう少し片づけてから逃げるぞ!」
「う、うん!」
そう言って背を向ける爆裂弾のリーダーに、私も答えて背を向けた。