彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「悪いけど無理だよ!俺、君と戦う理由ないから!」
「ある!オメーは俺の先輩の尾村さんを倒した。俺はそのカタキを取る義務がある。」
「そんな義務教育聞いたことないよ!?はっきり言いますけど、あなた使える先輩を間違えてますよ!?これを機会に、やめたらどうです!?」
「うるせぇ!男は、受けた恩を忘れちゃいけねぇーんだよ!」
「お、恩ってあなた・・・」
(こいつ、ウザい・・・!)
〔★面倒くさい硬派だった★〕
「そ、そうだ、可児!やっちまえ!」
「龍星軍の四代目に勝てるのはお前しかない!」
「先代からのミッションは、お前にしかできない!」
私がタイマンに消極的だったのに対し、可児とその仲間は積極的だった。
「マジ!?4代目と可児君戦うのか?」
「やべーこんな時に、携帯のバッテリーない!」
「あたしあるよ!」
「録画!撮影!」
ついでに、野次馬も積極的だった。
(ちょっと!私、プロレス選手じゃないのよー!?)
ハッキリ言って、可児よりも外野にムカつく。
「凛道!オメーに無茶振りしてんのはわかってくれる・・・!だが、どうしても、オメーと戦わなきゃいけねぇんだ。」
「可児、君だっけ?そこまで、尾村のことを慕ってんだね・・・?」
「オメーの取ったら、ムカつく相手かもしれねぇけどな。俺に取っちゃ、真田瑞希はどうでもいいが、オメーは違うだろう?」
「っ!?それは――――――・・・・!」
「・・・・そういうことだ。お互い、ひくわけにはいくめぇ・・・!?」
そう告げると、静かに構える。
その姿を見て思う。
(・・・・私にとって、瑞希お兄ちゃんはこの世で一番愛しい人。彼の側にいたくて、4代目を引き受けた。そして今、瑞希お兄ちゃんの名誉をかけて、私は戦おうとしている・・・・)
負けられない。
いいえ。
「・・・引くわけにはいきませんね・・・・」
受けて立つしかないでしょう。
〔★凛は戦う道を選んだ★〕