彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「いつまで楽しんでんだコラ・・・!?」
「え、円城寺君!?」
眉を八の字にした男子が、私をのぞき込んできた。
その顔を見て気づく。
「円城寺君、『また』怒ってるの?」
「『まだ』怒ってんだよ!さっさと行くぞ!カンナもベタベタするな!」
「してねぇ~よ、短気!行こうぜ、凛。」
円城寺君に、あっかんベーすると、私から腕をほどくカンナさん。
彼女が私から離れた瞬間、異変が起きた。
「待てや・・・・!」
「わっ!?」
ガシッ!と、足首を掴まれる。
視線を移せば、怖い顔。
「ぎゃあ――――――!?」
ゴス!
「ぐへ!?」
「ど、どうした凛!?」
「こ、怖い顔が出た!」
カンナさんに説明して気づく。
「あれ!?君は・・・!?」
「ううう・・・」
私の蹴りを受け、うずくまっているのが可児良信であることに。
「可児!?もう復活したんですか!?」
「ま、まだ、勝負はついてない・・・!俺は出来る・・・!」
そう言うと、フラフラしながら立ち上がる。
「いや・・・無理でしょう?そんな状態で戦うなんて・・・」
「情けは無用だ、凛道!真田瑞希の面みたいに、甘いこと抜かしてんじゃねぇぞ・・・!」
「わかりました。」
スパーン!
ヨロヨロしている足元を狙って、可児を転ばせた。
「おわ――――――!?」
ドッスン!!
瑞希お兄ちゃんへの、悪口ともとれる発言をしたバカにお仕置き。
「情けは人の為ならずって言いますよね?」
〔☆良い子のためのワンポイントアドバイス☆〕
情けは人の為ならず:人に情けをかけるのは、その人のためになるだけじゃなく、いつか自分に同じことが返ってくると言う意味♪
(例)お財布拾ったから届けた→お財布落してあきらめてたら、誰かが拾ってくれたおかげで返って来た~!
つまりね、『人には親切にしようよ♪』という教えだよん♪
ニッコリ語りかけ、聞き足を動かす。
ゲシ!ゲシ!ゲシっ!
「おう!おう!おお!?」
続いて、その顔を狙って蹴りの連打をした。
「凛――――――!?」
「こいつエゲツねぇ!頭ばっかり狙って攻撃してやがる!」
「次の次の頭候補だけに、頭を狙います。」
「笑顔で言い切るところが、ジャック・フロスト!!」
〔★ひどいしゃれだった★〕