彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「現金すぎるぞ、凛道蓮!マジで、瑞希さんのシモベか、オメーは!?」
「やん!愛の奴隷なんて・・・大河君、大胆です♪」
「誰もそこまで言ってねぇよ!キモイ表現してんじゃねぇぞ!?何お前!?マジで何お前!?」
「凛はこういう奴なんだよ、大河!まぁ、逃げる気になってくれたからいいんじゃねぇの?」
「なに悟った面で言ってんだ、カンナ!?大体、オメーが甘いこと言うから~」
円城寺君がそう言った時、ガラスが割れる音がした。
「全員その場に動くな!」
「逃げんな!顔は覚えたから、あとで説教だぞ!?」
ガラスを踏むような音に続き、大人の男の声がする。
怒ってる声。
そこへ、いろんな声が混じる。
「こんな騒ぎを起こしやがって~こっちへ来い!!」
「いやっ!私達、関係ないです~」
「離してぇ~」
「それも含めて聞いてやる!来るんだ!」
「いてて!先生、俺違います!」
「部外者ですよ~」
「うるさい!現場で野次馬してた奴も来い!」
「ひどいですよ!暴力反対!」
「って!?お前は、尾村のツレだろう!?関係者だろう!?」
「うわ!離せ、クソじじい!」
「無駄な抵抗するんじゃない!」
「きゃあ~!きゃ~きゃあ!!」
「いやぁ~」
「もしかして、無差別で補導してますか?」
「そうみてぇだな。」
聞えてきた会話は、とてもおおざっぱ。
(怪しい奴は、片っ端から捕まえてるみたいね・・・)
そんなんで、人では足りるのかしら?
まぁ、どちらにしても――――――
「けっこう、手抜きしてるんですね~高校教師。」
「なにしみじみ語ってんだよ!?」
「他人事みてぇーに言ってっけど、お前が一番の関係者だぞ、凛!?」
〔★凛の悟りに、大河とカンナがツッコんだ★〕