彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


怒られたけど、かまってはいられない。




「ほらほら!僕に近づくと、痛い目にあいますよ!」




そう告げて、後ずさるヤンキー達を先生にぶつけた。




「あわっ!?」



痛がる教師。



「ぐは!」

「いてぇ!?」



生徒とぶつかる教師。




「やめてくれ!なんで俺なんだー!?」

「いや、肉の壁的な感じで。」

「ひぃー!?鬼っ!!」



抵抗する尾村の取り巻き。

動いている最後の1人をドカッ!と蹴り飛ばして気づく。





「もう逃げられんぞ!?」

「あ。」





私を取り囲む先生方に。

ポーカーフェイスを装い、目だけで教だんを見る。

そこにカンナさん達の姿はなく、黒板側のドアから、チェック模様のスカートが見えて消えた。




(よかった・・・脱出してくれたみたい・・・)




あとは、机と人間を投げつけて逃げ道を作り、瑞希お兄ちゃんの元まで行けばOK!




「このガキ!私服でどこから入り込んだ!?今日は第一中学が創立記念日だったな・・・!そこの生徒だな!?」

「ご想像にお任せします。」




違うと言っても聞いてくれないと思い、無難な返事をした。

というか、説明するのが疲れた。




「はいはい、どいてください!」

「は、離せ!」




面倒くさいと思いながら、手ごろなヤンキーを掴んで、前へと押し出す。

それに、赤木先生をはじめとした教師陣が顔をしかめた。




「これ以上、うちの生徒への暴力は許さんぞ!警察を呼ばれたいか!?」




言ったのは、赤木先生。




「いいですよ。警察がくる学校だと、ご近所に宣伝できていいですよね。」

「うっ!?き、貴様~!?」

「というよりも、僕は喧嘩に巻き込まれた被害者です。こいつら3年のくせして、無理やり下級生にケンカさせるんですよ~?」

「お、俺らに罪を着せてんじゃねぇ!」


「ケンカ売っておいて―――――――よく言いますねっ!?」




ゲシっと、けり飛ばせば、赤木先生がキャッチした。



「危ない!」

「せ、先生!」



まるで、被害者のように、しおらしい姿で先生に縋り付く尾村の仲間。

あ、こいつ、私の初トンファーで倒した奴だ。



「大丈夫か!?」

「大丈夫じゃないです。」




問いかける赤木先生に、そいつの代わりに私が答えた。

それに赤木先生が私をニラみながら言う。
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