彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「誰も貴様には聞いとらん!」
「そうだそうだ!俺への言葉だぞ!?」
「わかってますよ。僕が言いたいのは、そいつが喧嘩の関係者であることです。」
「なに!?」
「3年のこの時期に、尾村と一緒にこんなことをしたら・・・内申は大丈夫じゃないですね~ってことです。」
「「・・・。」」
私の言葉に黙り込む2人。
ゆっくりとお互いの顔を見合わせた時、先に動いたのはヤンキー生徒。
「う・・・うわあ!!!」
「待て!どこに行く!?」
逃げようとしたのを、赤木先生が抑え込む。
「勘弁してくれ、見逃してくれ~」
「そうはいくか!お前、停学は覚悟しておけよ~!?場合によっては、退学だ!」
「そ、そんなー!」
教師の言葉に、投げた生徒が暴れ出すがどうにもならない。
「自業自得ですね。」
そう告げて、足元の教科書と辞書をつかんで投げた。
「うわ!?」
「いった!?」
呆然としていた、別の教師2人の顔面に叩きつけた。
ひるんだところへ、突撃する。
ドン!!
「さよなら!」
「あ!?」
強行突破で逃げる。
人間同士の開いたスペースから、体を滑り込ませて脱出。
(これであとは、こっそり瑞希お兄ちゃんと合流~!)
円城寺君達が逃げたドアに向かって走る。
「そうは~~~~~いくか!!」
ブオーン!!
「は?」
空を切る音に、一瞬からが固まる。
その正体を確認した瞬間、体に衝撃が走った。
「あう!?」
ガっ!!ガッターン!!
「はははは!召し捕ったぞ~!?」
「う、うそ!?」
黒板に叩きつけられ、背中に走る痛み。
同時に、私の首を固定する湾曲(わんきょく)の武器に驚いた。
「こ、これは・・・・刺又(さすまた)!?」
〔☆良い子のためのワンポイントアドバイス☆〕
刺又(さすまた):江戸時代、犯罪者を捕まえるための道具。長い棒の先に、U字型になっているよん♪消火活動にも使われていたことから、現在の消防署の地図記号は、この刺又(さすまた)を図案化したんだって♪