彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「誰も貴様には聞いとらん!」

「そうだそうだ!俺への言葉だぞ!?」

「わかってますよ。僕が言いたいのは、そいつが喧嘩の関係者であることです。」

「なに!?」

「3年のこの時期に、尾村と一緒にこんなことをしたら・・・内申は大丈夫じゃないですね~ってことです。」


「「・・・。」」




私の言葉に黙り込む2人。

ゆっくりとお互いの顔を見合わせた時、先に動いたのはヤンキー生徒。




「う・・・うわあ!!!」

「待て!どこに行く!?」



逃げようとしたのを、赤木先生が抑え込む。



「勘弁してくれ、見逃してくれ~」

「そうはいくか!お前、停学は覚悟しておけよ~!?場合によっては、退学だ!」

「そ、そんなー!」



教師の言葉に、投げた生徒が暴れ出すがどうにもならない。




「自業自得ですね。」




そう告げて、足元の教科書と辞書をつかんで投げた。




「うわ!?」

「いった!?」


呆然としていた、別の教師2人の顔面に叩きつけた。

ひるんだところへ、突撃する。




ドン!!


「さよなら!」

「あ!?」




強行突破で逃げる。

人間同士の開いたスペースから、体を滑り込ませて脱出。





(これであとは、こっそり瑞希お兄ちゃんと合流~!)





円城寺君達が逃げたドアに向かって走る。





「そうは~~~~~いくか!!」


ブオーン!!


「は?」






空を切る音に、一瞬からが固まる。

その正体を確認した瞬間、体に衝撃が走った。





「あう!?」


ガっ!!ガッターン!!



「はははは!召し捕ったぞ~!?」

「う、うそ!?」





黒板に叩きつけられ、背中に走る痛み。

同時に、私の首を固定する湾曲(わんきょく)の武器に驚いた。





「こ、これは・・・・刺又(さすまた)!?」



〔☆良い子のためのワンポイントアドバイス☆〕
刺又(さすまた):江戸時代、犯罪者を捕まえるための道具。長い棒の先に、U字型になっているよん♪消火活動にも使われていたことから、現在の消防署の地図記号は、この刺又(さすまた)を図案化したんだって♪

< 659 / 1,276 >

この作品をシェア

pagetop