彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「馬鹿野郎ぉおお―――――――――――!!?」
ごつい手が私の髪に触れたが、スルーできた。
2階だから、落ちても大した怪我にはならない。
飛び降り自殺のまき沿いみたいに、死んじゃうことはないと思った。
だから、躊躇(ちゅうちょ)なく飛び込んだ。
「――――――アタッーク!!」
「ぎゃふん!?」
「「「「尾村さぁーーーーーん!?」」」」
グッシャ、ドドドッ!!
仲間に肩を貸してもらい、逃げている尾村が見えた。
ロケットキックみたいに命中した。
「ふ~着陸成功♪戦線離脱♪天誅完了ですね~♪」
「うっ・・・・うわあああああああ!尾村さんが、尾村さんが!?」
「なんか上から降って来た!?」
「鳥か!?飛行機か!?」
「いや、違う!人間だ!」
「人だ!人がふってきたぞ!?」
「ひ、人は人でも、凛道蓮・・・・!?ジャックフロストだ―――――――!!!」
尾村を下敷きにして立ち上がれば、周囲がうるさくなる。
「なにあいつ!?飛んでこなかった!?」
「違います。2階から飛び降りただけです。」
「なに笑顔で非常識なこと言ってくれてんの!?」
「お、お前!4代目!まだ、尾村さんを狙うか!?」
「誰も狙ってませんけど?」
「じゃあ、なんで尾村さんの上に飛び降りた!?」
「いや、先生に囲まれて逃げられなくって~ほら。」
ニッコリ笑って上を指さす。
ヤンキー達が見上げる先には・・・・
「く~そ~が~き~!!寿命が3年縮んだじゃないか!?」
青い顔で、深呼吸している赤木先生がいた。
「おま!?うちのツートップの生活指導に、なんて真似してくれてんの!?」
「そうなんですか?知りませんでした。次から気をつけます。」
「全然そう見えないんだけど!?」
「やっぱり、極悪非道な龍星軍の後継者なだけある!真田瑞希の悪を引き継いでやがるぜ!!」
「悪?」
尾村の取り巻きの1人の言葉に、カチンときた。
モヤモヤする気持ちを、解消するために言った。