彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)





「馬鹿野郎ぉおお―――――――――――!!?」





ごつい手が私の髪に触れたが、スルーできた。

2階だから、落ちても大した怪我にはならない。

飛び降り自殺のまき沿いみたいに、死んじゃうことはないと思った。

だから、躊躇(ちゅうちょ)なく飛び込んだ。





「――――――アタッーク!!」

「ぎゃふん!?」


「「「「尾村さぁーーーーーん!?」」」」



グッシャ、ドドドッ!!





仲間に肩を貸してもらい、逃げている尾村が見えた。

ロケットキックみたいに命中した。




「ふ~着陸成功♪戦線離脱♪天誅完了ですね~♪」

「うっ・・・・うわあああああああ!尾村さんが、尾村さんが!?」

「なんか上から降って来た!?」

「鳥か!?飛行機か!?」

「いや、違う!人間だ!」

「人だ!人がふってきたぞ!?」

「ひ、人は人でも、凛道蓮・・・・!?ジャックフロストだ―――――――!!!」




尾村を下敷きにして立ち上がれば、周囲がうるさくなる。




「なにあいつ!?飛んでこなかった!?」

「違います。2階から飛び降りただけです。」

「なに笑顔で非常識なこと言ってくれてんの!?」

「お、お前!4代目!まだ、尾村さんを狙うか!?」

「誰も狙ってませんけど?」

「じゃあ、なんで尾村さんの上に飛び降りた!?」

「いや、先生に囲まれて逃げられなくって~ほら。」




ニッコリ笑って上を指さす。

ヤンキー達が見上げる先には・・・・




「く~そ~が~き~!!寿命が3年縮んだじゃないか!?」




青い顔で、深呼吸している赤木先生がいた。




「おま!?うちのツートップの生活指導に、なんて真似してくれてんの!?」

「そうなんですか?知りませんでした。次から気をつけます。」

「全然そう見えないんだけど!?」

「やっぱり、極悪非道な龍星軍の後継者なだけある!真田瑞希の悪を引き継いでやがるぜ!!」

「悪?」




尾村の取り巻きの1人の言葉に、カチンときた。

モヤモヤする気持ちを、解消するために言った。
< 664 / 1,276 >

この作品をシェア

pagetop