彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)



「いけな~い。僕、忘れものしてました。」

「わ、忘れ物だ!?」

「はい♪どうぞ、受け取ってくださーい・・・・♪」



シュン!シュン!

シャキン!シャキン!



「「「「「え?」」」」」





収めていたトンファーを出して、笑いかけた。




「スタート♪」




ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュヒュヒュン!!


「ほげ!?」

「あが!?」

「うえ!?」

「がっ!」

「げうっ!?」

「「「「ぎゃあああああああああああああああああ・・・・!!」」」」




蝶のように舞い、くるくる舞う。

無駄がないように、工夫して動く。

心を込めて、ドスッ!と一撃。

蜂のように、モグラたたきのようにボカボカ殴った。

ついでに蹴った。

それで次々と、尾村の仲間が動かなくなった。


そして――――――




バキッ!


「うぎゃっぎゃ!?」



「end♪」





最後の1人が、うつ伏せで血に伏せた。

時間にして、数分ぐらい。

10人はいたかもしれないけど、そんなの知らない。



「ねぇ。」

「ひっ!?」




かすかに動いていたヤンキーの1人の髪を掴む。

持ち上げて覗き込めば、青い顔で私を見ていた。




(あ、この人、田村って人だ。)



攻撃したのに動いていることに、丈夫なヤンキーなんだと思う。




「あのさ、やめてもらえませんかね?」

「な、なにをですか・・・!?」




穏便に済ませようと、笑顔で言えば、なぜか警護で返される。

言葉遣いがうつったのかな~?と思いつつも、本題を切り出した。





「真田瑞希さんの悪口、やめてくれませんか?」

「へ!?」

「『へ!?』じゃねぇーよ。」


ゴン!!


「痛い!」




地面に頭を叩きつけてから、もう一度その髪を掴みながら言った。




「僕ね、瑞希お兄ちゃんの悪口言われると、行った人を不幸にしたくなるんだ・・・わかるよね?」

「ひぃい~!わかります!十分、不幸っす!!」

「じゃあ、尾村さんにも伝えてね?あと、君らを動かした先代さん達にも。」

「え!?なんでそれを知って・・・!?」



(いや、知ってるも何も、口に出してわめいてたじゃない・・・)




ニワトリみたいな脳みそに呆れつつ、強く髪を握りしめながら言った。

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