彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
街灯がともった道を足早に進む。
(本当に危なかった・・・。)
時刻は、夕方の18時過ぎ。
私、菅原凛は、瑞希お兄ちゃんの松お店へと向かっていました。
今日はお手伝いをする約束をしていたのです。
昨日、学校をずる休みした件は、両親にバレてませんでした。
通知表が返ってきた時、出席の欄に記入はされると思いますが、偽装するので大丈夫です。
前日は、私にとって濃厚な一日で、いろんなことがありすぎでした。
(バイクのお祓いに言って、円城寺君にお弁当を届けに行って、ケンカに巻き込まれて・・・)
幸い、瑞希お兄ちゃんには、私が喧嘩をしちゃったことはバレませんでした。
騒がしい東山高校から2人仲良くバッくれ、素敵なカフェでランチを食べました。
(ご飯も美味しかったけど~)
「やっぱり凛さ、マスク取った顔は可愛いなぁ~」
「!!?」
(瑞希お兄ちゃんと2人というのが美味しかったぁぁぁぁ!!)
ご飯を食べるので、シブシブ、口元のバンダナをずらしたわけですが~!
「凛、周りに人いるけど・・・平気か?」
「へ、平気です!」
「心配しなくても、誰も凛を笑ったりしてないからな?」
「あ・・・」
そう言って、気遣うように私の頭をヨシヨシしてくれる愛しい人。
「不安になったら言えよ?メンタル面は・・・難しいからな?」
「はぁい・・・・!」
優しい瑞希お兄ちゃんに、また惚れ直す!
のど仏がないことがばれないように、首部分に晩名をしっかり巻いて、向かい合わせでご飯食べたのぉー♪
あんなことやこんなこと、いろんなお話しましたよぉ~
「凛、甘いもの平気か?ケーキでも頼むか?」
「え?でも・・・太りそうで・・・」
「ぷっ!?はははは!女かよ、お前は~!?凛は細すぎるからもう少し太れ!実食、決定~すみませーん!」
(細すぎるなんて、瑞希お兄ちゃん・・・!)
女かよ発言は、ドキッとしたけど、それ以上に瑞希お兄ちゃんにドキドキ!!
この時間が永遠に続いてほしい。
「瑞希お兄ちゃん・・・」
「どうした?」
「あの・・・今度は俺が、ご飯御馳走しますから・・・また、『2人』でランチしてくれますか・・・?」
食後のケーキをつつきながら聞けば、はっきりと言われた。