彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
来て早々(そうそう)に、お叱りを受ける。
な、なんでいきなり怒ってるの!?
(はっ!?まさか―――――――・・・・・!?)
心当たりに気づき、ギクっとした。
瑞希お兄ちゃんが怒る原因。
予想は出来たけど、聞いてみた。
「か、隠してたって・・・!?」
「尾村とタイマンして、勝ったことだろう?」
私の問いに、瑞希お兄ちゃん以外の声が答える。
同時に、瑞希お兄ちゃんの背後からひょいっと顔を出した。
「烈司さん!?」
ヘビースモーカーのお兄さん。
「烈司だけではない。」
「獅子島さん!」
それ+眼鏡のお兄さん。
「あたしもいるわよぉ~」
「モニカちゃん!」
さらに+で、オネェさん。
「わはははははは!!」
「百鬼さんまで・・・」
お兄さんならぬ鬼さんも。
「どうしたんですか!?みなさんおそろいで・・・!?」
あまり集合することがない面々に聞けば、煙草をくわえた先輩が言う。
「そりゃあ、凛たんが武勇伝作ったから、確認しに来たんだよ。」
「ぶ、武勇伝?」
その言葉で、お笑いコンビの武勇伝♪武勇伝♪をする人達と、そのダンスが流れる。
最近してないな、見てないな、見たいな。
「持ちネタが武勇伝のコンビ、最近どうなったんでしょう?」
「なんでそういう発想になるんだよ?」
「俺らが言ってんのは、昨日の東山での出来事だっ!!」
「み、瑞希お兄ちゃん!?」
苦笑いする烈司さんの横で、瑞希お兄ちゃんが怒る。
「凛!お前、大河に弁当を届けに行ったんだろう!?なんで、尾村とその仲間達と戦ってんだ!?」
「ご、誤解です!僕、そういうつもりなかったんです!だけどあいつら、瑞希お兄ちゃんの悪口を~」
「そればかりか、先公相手にバトルした挙句、窓から飛び降りて、尾村たちにとどめを刺したそうじゃねぇか!?どういうつもりだ!?」
「い、いえ!あれは事故で、成り行きでして・・・!」
「「「「なりゆきねー?」」」」
私を揺さぶりながら聞く瑞希お兄ちゃんの側で、他のお兄さん方(?)が声をそろえて聞き返す。