彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


「尾村のガキに、先に攻撃をしたのは凛道だろう?事故は事故でも、自損事故だな。」

「爆裂弾もいたが、凛1人で倒したって話だろう?机を投げたり、人間投げたり、トンファーもしっかり使ってよ。」

「しかもぉ~刺又(さすまた)持ち出した先生相手に、勝っちゃったんでしょう!?その気がなくて、できることじゃないわん♪」

「2階から飛び蹴りを食らわせるのは見事だぜ!おかげで尾村は、入院だと!わははははは!!」



「・・・以上だ。言いたいことはあるか・・・!?」

「・・・・ありましぇん・・・・」




和気あいあいと話す4人の会話を、鋭い目つきの瑞希お兄ちゃんがしめる。

どうなんだ?と聞かれれば、違いますなんて言えない。




「凛、正直に話そうか・・・!?」

「ごめんなさい・・・・喧嘩しました・・・・」




観念して答えれば、念押しで聞かれた。



「マジか?」

「マジです。」

(・・・・嫌われちゃったかな・・・)




天国気分が一変して、地獄へ。

凹む気持ちで、相手を見る。

目が合う。

その瞬間、つままれていた手をパッと離された。





「よくやったぁ~~~~!!」

「・・・・・・・・・はい?」




とても、嬉しそうで明るい声が響く。

あれ?っと、思った時には、瑞希お兄ちゃんの腕の中。



――――――ギュムッ!!



「さすが俺の凛!!俺の弟で、後輩~~~!!いい仕事してるじゃねぇか!?」


「えっ・・・・!?」


(ええええええ!?)






満面の笑みで、痛いぐらいに抱きしめられ、褒められた。




(な、なにこれ!?怒ってたんじゃないの!?怒ってない!?)



事態が読み込めなくてオロオロしていれば、周りから笑い声が上がる。
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