彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「マジか~凛たん!?東山高校をにぎわせた忍者ってオメーだったの!?」
「先公とまで喧嘩するとは、なかなかスリルに飢えてるじゃねぇか、凛助!良い感じだ!!」
「教師を巻き込んだのはともかく、東山のゴミを排除した行動は賞賛に値する。なかなか、見どころがあるじゃないか凛道。」
「凛ちゃんえらいわ!ムカつく浅原の手足を叩き潰しちゃうなんて最高よ~!あたしも鼻が高いわぁ~!」
「あ、浅原??」
(誰だっけ??)
「なんだ、凛?知っててやったんじゃないのか?」
モニカちゃんの言葉に疑問をとなえれば、私を抱きしめる力をゆるめながら瑞希お兄ちゃんが言う。
私の顔を覗き込みながら聞いてきた。
「尾村は、浅原の後輩だぜ?神社で会った『SHIELD(しーるど)』の4代目総長、浅原知憲だよ。」
「ああああ!?だらしない+ムカつく馬鹿ですか!?」
瑞希お兄ちゃんの言葉で思い出す。
私達にからんできた元ヤンのこと。
「そうだよ。尾村は、『SHIELD(しーるど)』の6代目総長でもあるんだよ。」
「え!?あいつ、暴走族だったんですか!?」
「そういうことだな。けっこう勢いはあったが・・・」
「あったが?」
「凛が叩きのめしたから、当分大人しいだろう。」
「そこまで、効果的だったんですか!?」
〔★予想以上の成果だった★〕
「何言ってんだ、凛!照れるなよ~?」
戸惑う私をよそに、瑞希お兄ちゃんは生き生きという。
「トンファーを操って倒したんだってな~?それ聞いて俺は、オメーに譲ってよかったと思ってんだぞー?」
「確かに、おかげさまでピンチを切り抜けましたが~まさか、毒蝮みたいにつぶれたんですか・・!?」
「それはありえん。」
「獅子島さん!?」
答えてくれたのは眼鏡の参謀。
目と目の間の眼鏡の金具をクイッと持ち上げると、私を見ながら言った。