彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「つーことで、凛!こういうことは、早めに申告しなさい。」
馬鹿笑いする百鬼を無視して、瑞希お兄ちゃんがまとめに入る。
「現場にいたのに後から烈司に教えられ、瑞希お兄ちゃんは凛に仲間はずれにされたような気持になりました。」
「ええ!?ごめんなさい、瑞希お兄ちゃん!!」
烈司さんから聞いたんだと思いつつ、謝罪する。
それに瑞希お兄ちゃんは唇をとがらせる。
「反省してるか?俺に怒られると思って、言いたくなかったのか?」
「してます!してます!怒られるのは・・・そうかもしれないと思いました・・・・喧嘩したのがわかったら、嫌われると思ったから・・・!」
「ばか。」
コツン!
沈み気持ちで言えば、私の額に瑞希お兄ちゃんが額をぶつけてきた。
「あう。」
痛くない、音だけが大きいだけの接触。
相手を見上げれば、穏やかな顔で私を見ていた。
「頭ごなしに、凛を怒るわけないだろう?俺、凛が大事だから、なくしたくねぇからよ・・・?」
「瑞希お兄ちゃん・・・・!!」
「今度から、ちゃんと教えてくれるか?隠し事はナシってことで?」
優しく語りかけてくれる彼に、涙が出そうになる。
嬉しくて、嬉しくて、そんな風に言ってもらえると思わなくて、胸が熱くなった。
だから、約束した。
「言います!内緒にしないから、ごめんなさいっ・・・・!」
(誓います!誓いますから、嫌いにならないで・・・・!)
ガバッ!と私から抱き付く。
謝る。
これに瑞希お兄ちゃんは答えてくれた。
「ああ、約束な。これで、一件落着だ。」
そう告げて、ギューと苦しいぐらい抱きしめてくれた。
(ああ・・・・幸せ・・・!)
好きなお兄ちゃんの匂いがいっぱいに広がる。
それに甘えて、すりよっていたら言われた。
「よっしゃ!本人確認も済んだことだから、いっちょやるか!?」
「瑞希お兄ちゃん?」
首だけで振り返り、4人のお兄さん達を見ながら私の好きな人は言う。
「今夜はうたげだ~!!」
「なんでっ!?」
突然、飲む気満々で叫ぶ相手に聞き返す。
これに瑞希お兄ちゃんは笑顔で言う。
「当たり前だろう!?凛が1人で武勇伝を飾ったんだ!丈夫にバッくれやがってよぉ~お祝いだろう!?」
「お、お祝いですか!?」
〔★祝うようなことはしてなかった★〕