彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「オラ、モニカ!看板、closeにしてこい!伊織、キッチンで飯作れ!」
「はいはい。」
「人使いの荒い元頭だ。」
瑞希お兄ちゃんの指示に、素直に従う2人。
(あの獅子島さんが人の言うことを聞くなんて・・・瑞希お兄ちゃん、本当に総長だったんだな・・・)
感心し、尊敬する一方で――――――
「皇助、酒出して運べ!」
「断る!!」
「なんだとー!?総長の命令が聞けねぇのか!?」
「わはははは!元・総長だろう、オメー!?今の総長は凛助だ!」
「じゃあ、凛が言えば聞くのかよ!?」
「聞かねぇなぁ~!!」
「テメー!!」
(・・・・そうでもない奴もいるけど・・・)
私を離し、百鬼へと文句を言いに行く瑞希お兄ちゃん。
「ご機嫌だろう、瑞希?」
「え?」
呆れる気持ちで見送っていれば言われた。
「烈司さん。」
「凛たん、どこまで聞いてるかわからねぇけど・・・皇助のおかげで、瑞希は浅原で嫌な思いしてんだよな。」
「女子と間違えられた件ですか?」
「なによ、聞いてんか?そうそう、それ。だからさ、嬉しいんだよな~」
煙を吐きながら男前は言う。
「可愛い凛が、ムカつく浅原をギャフンと言わせたから、楽しいんだろうぜ。」
(ギャフンとって・・・)
そんなもの?
「神社で会った時、浅原の野郎言ってたんだろう?『自分の後輩が龍星軍4代目を倒す』って?返り討ちにされたら世話ないぜ。」
「あ。」
烈司さんの言葉で、頭の中のピースがそろう。
今回の事件の流れがわかった。
「尾村が円城寺君に駄々をこねてまで、俺とタイマンさせろって迫ったのは、先輩の浅原が命令したからだったんですね・・・!?」
「そういうこと。お疲れちゃん。」
クスッと笑ってから、ポンポンと私の頭をなでる烈司さん。
その顔がすごく大人っぽくて、色気があってドキッとする。
(まぁ、瑞希お兄ちゃんの方が色っぽいけどね。)
こうして、お店のお手伝いはずが、宴会になっちゃいました。
〔★唐突過ぎる展開だった★〕