彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)


「あれさー教室を半壊にした犯人である凛道蓮が、中坊ってマジなの?」

「らしいよな。第一中学の生徒らしくて、犯人捜ししてるらしいぜ。」

「知ってるぜ。わざわざ、東山高の教師が出向いて調査したんだろう?」

「それがよぉ~俺の弟が第一中学だけど、凛道蓮は見つからなかったって聞いたぜ。」

「マジ!?あいつ中坊じゃないのか?」

「円城寺君とタメ(同じ年)って聞いたぜ?」

「つーか、珍しい苗字だから、すぐわかるっしょ?偽名でも使ってんのか?」


ギクリ!!




的を得ている意見。

私の心臓に悪い話に、ドキッとする。




「どっちにせよ、凛道君、マジ強かったらしいぜ?」

「総長デビュー前に、武勇伝でも作ってんのかな?」

「ヤバいだろう?トンファー操るとか?カンフーの達人!?」


「そこ!お前らうるさいぞ!」


「はーい、すんませーん!」





大きくなり始めた声に、先生が反応して注意する。

それで男子達は会話をやめ、静かにするふりをしていた。

携帯を触りだしたので、LINEでもしてるのだろう。





(ホント、困ったなぁ~・・・・)





成り行きで男の子をして、偽名を使って、ケンカに巻き込まれて・・・





(おかしいな・・・私は、瑞希お兄ちゃんをヤンキー世界にカムバックさせないため、総長になったはず。彼に好かれるため、4代目としてカッコよくふるまう予定だったのに・・・楽しくをモットーに、安全にヤンキーをしようと思ってたけど・・・)


「龍星軍の4代目、今度はどんなイベントしてくれんのかなぁ~?」

「へへへ!楽しみだよな~」


「・・・・。」




どうやら世間は、それを許してくれないらしい。




〔★イケイケの4代目を望んでいた★〕





(喧嘩っ早いって思われたくないのに・・・現実は・・・・)




そうはいかないと、こっそり嘆いた。
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