彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
「もし、あなたが僕と同じように、瑞希お兄ちゃんや烈司さん、モニカちゃんに獅子島さんに百鬼さんが好きで、みなさんみたいに、バカしたかっただけなら―――――!」
(純粋に、瑞希お兄ちゃんが好きなら――――――――)
「俺が、あなたの分まで馬鹿をします。」
(今でも彼を慕っているなら、私の気持ちもわかってくれるはず。)
「順番も競争も関係なく、馬鹿なお遊びをして、普通に笑ってられるようする。」
「凛・・・」
「瑞希お兄ちゃんのこと、俺に任せてください。もちろん、譲ってもらうのは、楽しいことだけじゃないです。」
もしも、私があなたの立場なら、悔しいけど願うから。
(瑞希お兄ちゃんの幸せのためなら、他の誰かに彼を頼んででも、瑞希お兄ちゃんの苦痛を取り除く。)
「俺は、龍星軍の肩書と一緒に、先代からの『イタミ』も引き継ぎます。」
「凛!?」
私にできることは、この因縁を宿命として受け入れること。
「凛・・・!お前、お前は――――――――・・・・!?」
「苦しさを知ってるから、楽しいってどんなに良いことかわかるんだと思う。死んでしまったあなたの口惜しさも、死なせてしまった瑞希お兄ちゃん達のつらさも、俺がまとめて引き受ける!!」
「凛たん・・・・」
「凛ちゃん!」
「・・・凛道。」
「凛助・・・・!」
瑞希お兄ちゃんを、守るから。
彼がバリスタに慣れるように側で支えながら、彼に余計な手出しをする輩が出ないようにするから。
「だから・・・・陽翔さんも、自分を責めないで・・・!瑞希お兄ちゃんを恨まないで・・・!」
『陽翔さん』と、口では言ってるけど、彼だけに向けた言葉じゃない。
「死んだ原因だと決めつけて、追い込んで、苦しめて・・・罰し続ける謝罪を本当に望んでますか?」
私を助けてくれた、優しいあなたに向けた思いでもある。
「俺は、あなたと似てると思ってます。全く違う人間だけど、真田瑞希って人を好きになって、慕ってるという点では、似た者同士だと思います。」
「凛・・・」
だから、自信を持って言った。