彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
◆恋色、あなた色に染めあげて!!
ヤクザな刑事が立ち去った後。
私が泣き止むまで、瑞希お兄ちゃんは抱きしめてくれた。
烈司さん達は、静かに見守ってくれた。
(だめだな、私・・・)
口では守るって言いながら、リアルでは瑞希お兄ちゃんに甘えっぱなし。
(本当なら、私が瑞希お兄ちゃんを慰める立場なのに・・・・)
「ぐすん・・・・」
「ほら、もう泣くな、凛。」
不甲斐なさに鼻をすすれば、私の頭をナデナデしながら瑞希お兄ちゃんが声をかけてきた。
「あんまりなくと、干からびるぞ、お前―?凛君は、龍星軍の4代目の頭するんだろう~?」
茶化しながら、励ましてくれるところがさらに愛しい。
(なによりも、このタイミングが・・・・)
私の涙が止まったのを見計らって、声をかけてくれたところが嬉しかった。
時おり、瑞希お兄ちゃんが見せる大人の余裕に、ときめきが止まらない・・・!!
(優しいな、お兄ちゃん・・・・声をかけるタイミングまで考えてくれて・・・)
改めて、惚れた相手の優しさを知る。
そんな私に、遠巻きで様子を見ていたお兄さん達も近寄って来た。
「ううう!なんていい子なの、凛ちゃん!いっぱい泣いて喉かわいたでしょう!?何飲みたい?緑茶、ウーロン茶?それともポカリ?」
「わっははははは!泣き虫から凛助に戻ったな!?よし、さっさと墓参りすませるぞ!」
「そうだな。俺達も線香をあげたら帰ろう。どこかで飯でも食いに行くか。」
「そりゃあ、いいな。凛たん、なにがいい?何でも好きなもの食わせてやるぞ~?」
「みなさん・・・・」
瑞希お兄ちゃん同様、親切にしてくれる先輩方がありがたい。
「僕のために・・・・ぐす、ありがとうございます・・・!」
「だーから、泣くなよ、凛?」
わしゃわしゃと、犬猫みたいに撫でまわされ、甘えもあってギュッと瑞希お兄ちゃんに密着する。
ああ~いい香り~
男の人ってこんなに良い匂いがするの?
胸は真っ平らだけで、骨格はしっかりしてる。
体はこんなにしなやかなのに~!
(うふふふ・・・・もうちょっと、くっついてよーと♪)
役得だと思いながら、弱ってるふりしてすり寄った。