彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)
◆恋色、あなた色に染めあげて!!

ヤクザな刑事が立ち去った後。

私が泣き止むまで、瑞希お兄ちゃんは抱きしめてくれた。

烈司さん達は、静かに見守ってくれた。




(だめだな、私・・・)





口では守るって言いながら、リアルでは瑞希お兄ちゃんに甘えっぱなし。




(本当なら、私が瑞希お兄ちゃんを慰める立場なのに・・・・)





「ぐすん・・・・」

「ほら、もう泣くな、凛。」




不甲斐なさに鼻をすすれば、私の頭をナデナデしながら瑞希お兄ちゃんが声をかけてきた。



「あんまりなくと、干からびるぞ、お前―?凛君は、龍星軍の4代目の頭するんだろう~?」




茶化しながら、励ましてくれるところがさらに愛しい。



(なによりも、このタイミングが・・・・)



私の涙が止まったのを見計らって、声をかけてくれたところが嬉しかった。

時おり、瑞希お兄ちゃんが見せる大人の余裕に、ときめきが止まらない・・・!!




(優しいな、お兄ちゃん・・・・声をかけるタイミングまで考えてくれて・・・)




改めて、惚れた相手の優しさを知る。

そんな私に、遠巻きで様子を見ていたお兄さん達も近寄って来た。




「ううう!なんていい子なの、凛ちゃん!いっぱい泣いて喉かわいたでしょう!?何飲みたい?緑茶、ウーロン茶?それともポカリ?」

「わっははははは!泣き虫から凛助に戻ったな!?よし、さっさと墓参りすませるぞ!」

「そうだな。俺達も線香をあげたら帰ろう。どこかで飯でも食いに行くか。」

「そりゃあ、いいな。凛たん、なにがいい?何でも好きなもの食わせてやるぞ~?」

「みなさん・・・・」




瑞希お兄ちゃん同様、親切にしてくれる先輩方がありがたい。




「僕のために・・・・ぐす、ありがとうございます・・・!」

「だーから、泣くなよ、凛?」




わしゃわしゃと、犬猫みたいに撫でまわされ、甘えもあってギュッと瑞希お兄ちゃんに密着する。






ああ~いい香り~

男の人ってこんなに良い匂いがするの?

胸は真っ平らだけで、骨格はしっかりしてる。

体はこんなにしなやかなのに~!




(うふふふ・・・・もうちょっと、くっついてよーと♪)





役得だと思いながら、弱ってるふりしてすり寄った。

< 789 / 1,276 >

この作品をシェア

pagetop